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<回想列車 蒲郡線にゆられ> (1)吉良吉田駅

2021年1月27日 05時00分 (1月27日 19時56分更新)
口コミで客を増やしたぞうめし屋のキッチンカー。週末は全国各地を巡る=西尾市吉良町の今井醸造で

口コミで客を増やしたぞうめし屋のキッチンカー。週末は全国各地を巡る=西尾市吉良町の今井醸造で

  • 口コミで客を増やしたぞうめし屋のキッチンカー。週末は全国各地を巡る=西尾市吉良町の今井醸造で
 キッチンカーの背後をゆっくりとスピードを落とした赤い電車が通る。名鉄蒲郡線と西尾線の結節点である吉良吉田駅(西尾市吉良町)。駅前に立つみそ製造「今井醸造」の三代目今井大輔さん(41)は言う。「うちのみそは万能。甘さもコクもあるし、スパイスカレーにもあう。だからこそみんなに知ってほしかった」
 線路脇に蔵がある小さなみそ屋で生まれ育った。いまも目の前にあるのは、変わらない景色。母親に手を引かれて、喜んで見た赤い列車。高校卒業後は就職し、名古屋への通勤でも二年間利用した。「車窓から蔵が見えると、家に帰ってきたという気分になりましたね」。電車通勤に別れを告げ、みそ屋を継ぐ気などさらさらなかったが「俺の給料をあげるから、みそ屋をやらないか」と祖父に言われ、気が変わった。

 風光明媚(めいび)な三河湾の車窓が続く名古屋鉄道蒲郡線。慢性的な赤字運営が続き、存続の危機にさらされているものの、高校生の通学や高齢者の移動手段として地域の足を支えている。吉良吉田(西尾市)−蒲郡(蒲郡市)を「各駅停車」で巡り、路線への愛着や沿線の歴史、人もようをたどる。

 国産の塩や大豆を使い、無添加で仕上げたシンプルな味に自信があった。...

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