【三重】オンライン診療が増加 松阪のクリニック、介護施設と連携

2020年5月13日 02時00分 (5月27日 04時32分更新)

タブレットでオンライン診療の予定を確認する上住院長=松阪市垣鼻町で

 新型コロナウイルスに感染するリスクを避けるため、テレビ電話などで診察を受ける「オンライン診療」が注目されている。県内では、利用促進への仕組みをつくる医療機関がある一方、対面診療よりも診断に必要な情報量が少なくなるため運用に慎重な声もある。
 オンライン診療では、医師がスマートフォンなどの画面を通じて患者を診察する。外来で訪れた感染者が医療従事者や他の患者に感染させるリスクをなくすことが期待され、原則禁止だった初診も新型コロナが収束するまでの時限措置として四月に解禁された。
 二年前からオンライン診療を導入する「カイバナ眼科クリニック」(松阪市垣鼻町)は、利用者を増やそうと四月から市内外の介護施設と連携した。目に不調を感じるなどした入所者に、施設のタブレット端末などを使った受診を勧めてもらう。初診を含め、IT端末に不慣れな高齢者に感染リスクの低い状態で医療サービスを提供する狙いがある。
 利用する専用アプリ「ポケットドクター」を手掛けるMRT(東京)によると、外出自粛が本格的に広がった三月は全国の利用数が二月の十倍に急増。医療機関からの問い合わせも二十倍になったという。
 新型コロナウイルスは目の粘膜を通じた感染も指摘されている。上住尚志院長は「スタッフの感染で地域医療が崩壊することが一番怖い。リスクを減らすため多くの人にオンライン診療を使ってほしい」と話す。
 四月下旬にオンライン診療を始めた「四日市内科ハートクリニック」(四日市市城西町三)は、専用アプリ「curon(クロン)」を利用し、パソコンのモニターを通じて定期外来や発熱の患者を診察している。
 循環器内科もあるため、感染すれば重症化する可能性が高いとされる心臓病患者の受診も多い。三原裕嗣院長は「他の患者や院内の安全を守るために有効だ」と話す。既に十数人をオンラインで診察し、患者からも好評という。
 一方で「診察の精度は高くない」と指摘する。オンラインは問診と視診に限られ、触診やその場での検査もできる対面と比べ情報量が少なくなるからだ。このためオンラインでの初診は通院歴のある人などに限定している。
 「適切な診察のために多くの情報を聞き取ろうとする分、負担は増える。あくまで感染防止策としてのメリットを評価して使っている」と三原院長。新型コロナが収束すればオンライン診療はさらに限られた患者に絞る予定という。

◆「初診から」半数弱

 厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療」について、全国の対応医療機関をホームページで公表している。県内は九十一施設を掲載し、うち初診から対応としているのは半数弱となっている。
 (渡辺雄紀)

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