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初優勝の大栄翔は大関も難しくない…またも平幕に賜杯をさらわれた大関陣よ、少しは恥と思ってほしい【北の富士コラム】

2021年1月25日 05時00分

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初優勝し、八角理事長(右)から賜杯を受ける大栄翔

初優勝し、八角理事長(右)から賜杯を受ける大栄翔

 令和三年度初場所が何とか終わった。「終わった」ではなく、やっと終わったと言った方が正しいだろう。
 私は初日にも述べたが、今場所は休場者も多くコロナ禍が猛威をふるっている。また、感染者が出ないとも限らないので止めた方が良いのではと余計なことを言ってしまった。それだけに今、私はホーッとしているところです。私の展望は貴景勝が優勝候補の一番手、そして朝乃山、正代と続き、三役陣が充実しているのでひとつ間違えば誰が優勝してもおかしくない。そして、平幕優勝も十分に考えられると結んでいる。だが、貴景勝が初日から4連敗と崩れ、10日目には休場してしまった。
 朝乃山も序盤で2敗となり、さらに6日目には3敗となり、優勝から遠ざかっていった。一人残った頼みの綱の正代も中日まで2敗。虎視眈々(たんたん)と優勝を狙っていた関脇照ノ富士も6日目まで3勝3敗。これで上位陣の優勝の可能性はなくなりかけてしまった。その中にあって、大栄翔が三大関を総なめにして8連勝と快進撃。この段階で正代とは星二つの差がついた。
 下位にも2敗力士と3敗力士は大勢いたものの気の早い私は大栄翔の優勝を宣言してしまった。宝富士と阿武咲に敗れて2敗となった時には正直「しまった」と思ったものだ。しかし、その後はわれを取り戻したかのように気力あふれる相撲で3連勝。そして、千秋楽を迎えたのであります。対する相手は隠岐の海。決して楽な相手ではない。むしろ、取りにくい力士である。大栄翔の当たりと突きが簡単に通じる相手とも思えない。大いに心配したが、大栄翔は一点の迷いもなくまっしぐらにぶちかまし突きまくった。体が柔らかく、ふところの深い隠岐の海が何とか引っ張り込もうとするが、委細構わず一気に押し出した。大栄翔は自分の相撲を信じ、無心で立ち向かったと思われる。大事な大一番に最高の相撲を見せた精神力は立派の一言ではすまない。
 これで大栄翔も大関候補の一人に数えられると思うが、今の押し相撲に磨きをかければ、大関はそれほど難しくはない。その良い見本が貴景勝である。貴景勝より上背もあるし、運動神経も負けてはいない。直線的な貴景勝に比べ左右への動きも十分こなせると思う。貴景勝にできて大栄翔にできないはずがない。とにかく十分に稽古をして来場所もまず二桁をめざしてもらいたい。そして、北勝海二世を目指そうではないか。優勝インタビューも「お涙ちょうだい」の場面もなくさわやかで素朴で実に良かった。
 今場所は大関陣がクソの役にもたたずにまたしても平幕力士に優勝をさらわれてしまったが、少しは恥と思ってほしい。正代なんかは対朝乃山戦のやる気のなさは実に情けない。朝乃山も照ノ富士にまったく歯が立たなかった。2人とも宝の持ち腐れである。コロナ禍に甘えていないで少しは工夫をするべきだ。
 とにかく終わってよかった。それしかない。少しホッとしているが、また退屈な日々が続く。ヒマだから下手な俳句でも作りますか。去年の春場所の千秋楽から一句も詠んでいないので作り方を忘れてしまったみたいです。それでは今場所もお世話になりました。連日の下手な文章をお目にかけて申し訳ないことです。まじめに書かないと首になりそうです。今夜の食事はカニ鍋です。大栄翔の優勝を祝って、一人でカンパイです。お休みなさい。(元横綱)
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