うお座の魚を見つけ出せ 東海大海洋学部・小島さん考察

2021年1月24日 05時00分 (1月24日 05時02分更新)
星図を手に「プラネタリウムで星図を見ると何の魚か分かるようになった」と笑う小島敦さん=静岡市清水区で

星図を手に「プラネタリウムで星図を見ると何の魚か分かるようになった」と笑う小島敦さん=静岡市清水区で

  • 星図を手に「プラネタリウムで星図を見ると何の魚か分かるようになった」と笑う小島敦さん=静岡市清水区で
  • ドイツの法律家ヨハン・バイエルが1603年に出版した星図書「ウラノメトリア」で描かれているうお座
  • タカノハダイ
 星座のうお座は何の魚か−。そんな疑問の解明に、東海大学海洋学部(静岡市清水区)海洋生物学科四年で天文サークル所属の小島敦さん(22)が、生物学的な手法から取り組んでいる。昨年十一月、考察をまとめた成果が天文専門誌に掲載された。 (五十幡将之)
 小島さんが星座のモチーフになった魚介類の種類が気になり始めたのは、大学二年の時。文化祭の発表に向け、星に関心がない人の興味を引けそうなテーマを思案中、ふと「かに座のカニの種類を特定したら面白いかも」と思い立った。
 手始めに十六〜十九世紀に欧州で描かれた三枚の星図を収集。底生生物が専門の学内の先生に指導を仰ぎ、甲羅の形や脚の数、目の位置などから特徴が近い種を探した。残念ながら星図ごとに描かれ方が大きく異なっていたため一種に特定できなかったが、二〇一九年八月に日本天文教育普及研究会年会で成果を発表すると、着眼点の面白さが反響を呼んだ。
 その経験を生かして今回挑戦したのがうお座。調べると、カニと同じく特定の一種ではなく、星図ごとに異なる魚が描かれていることが分かった。例えば、ドイツの法律家ヨハン・バイエルが一六〇三年に出版した有名な星図書「ウラノメトリア」のうお座は、背びれや胸びれ、尾ひれの位置や形、口の特徴などからスズキ目のタカノハダイが近いと分析。同様に、有名な星図ごとにコブダイや小形の淡水魚モツゴ、ゲンゴロウブナに近い魚が描かれていることを突き止めた。
 「星座の魅力は、そこに秘められた文化や歴史、神話の背景を想像すること」という小島さん。うお座を特定する際には、昔の人の考え方を知るべくギリシャ語を勉強し、紀元前三世紀の文献で、現在では一般的ではない「うお座はみなみのうお座の子孫」という記述も見つけた。
 その発見から、うお座の特定に合わせてみなみのうお座も調査。二十七種の星図のうち、うお座とみなみのうお座の二つを同種に描いていたものは八例と少なく、「子孫説」はマイナーな神話との考察も示した。
 「日本の昔話にも教訓が秘められているように、星座やギリシャ神話にも数百、数千年前の人が星空に託したメッセージが込められている。現代人が見ている星も当時の人たちが見た星も同じ。自由な発想でそんなタイムカプセルをひもとく面白さを知ってほしい」

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