暴れ天竜 流れ穏やか治水の恵み

2021年1月24日 05時00分 (1月24日 05時02分更新)
蛇行する川の流れが、夕暮れの明かりで薄紅色に染まる天竜川=浜松市天竜区の秋葉神社で

蛇行する川の流れが、夕暮れの明かりで薄紅色に染まる天竜川=浜松市天竜区の秋葉神社で

  • 蛇行する川の流れが、夕暮れの明かりで薄紅色に染まる天竜川=浜松市天竜区の秋葉神社で
 度重なる洪水で古くから「暴れ天竜」と人々に恐れられた天竜川が、冬の夕暮れ、細くなった流れをきらめかせ、穏やかな表情を見せていた。浜松市天竜区春野町の標高866メートルに鎮座する秋葉神社上社。右に左に大きく身をくねらせながら遠州灘に注ぐ姿は、まさに天に昇る竜を思わせる。
 明治初期、洪水被害に何度となく襲われる郷土を救おうと、金原明善(きんぱらめいぜん)(1832〜1923年)は堤防を築き、水源の山々に大規模な植林を進めた。下流域の人々は生活の安心とともに産業面でも治水の恵みを得ることになった。神社本殿で掃除をしていた佐奈要介権禰宜(ごんねぎ)は「本殿から見える天竜川は、流れが多少変わっても昔と同じ景色を見せてくれている気がします」と話す。
 太陽が沈むにつれ、薄紅色に染まった川面が、暗くなった本流にのみ込まれていく。代わって、両岸の街並みが輝き始めた。
  写真・文 山田英二

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