「東京五輪出場全選手がワクチン接種できるよう優先割り当てを」IOCがWHOと協議
2021年1月23日 10時35分
国際オリンピック委員会(IOC)は今夏、東京五輪開催を実現させるため、出場する選手全員が優先的に新型コロナウイルスのワクチンを接種できるよう、世界保健機関(WHO)へ働きかけていることが22日、分かった。同日、英国高級紙デイリーテレグラフが特報として報じた。
昨年11月にIOCのバッハ会長が来日したとき、「できる限り選手、コーチはワクチンを打ってほしい。費用はIOCが持つ」と発言。以来、IOCは選手らが早期に割り当てを受けられるよう、ワクチンを共同購入し、低所得国への供給などを支援するWHOのCOVAXファシリティと協議を続けていたという。
2月8日に開幕する予定のテニスの全豪オープンは、世界中から17機のチャーター便を飛ばし、選手と関係者らを入国させた。しかしそのうち3機の搭乗者から陽性反応が出て、錦織圭(日清食品)ら72選手が隔離生活を余儀なくされている。こうしたオーストラリアでの異常事態を受け、IOCは全出場選手がワクチンを受けられるよう、加速させる。
一方、菅義偉首相は21日、「感染対策をしっかり行い、ワクチンを前提としなくても、安全安心な大会を開催できるよう準備を進めている」と話し、選手へのワクチン接種は義務化しない方針を明らかにしている。
IOCも選手がワクチンによって副反応を起こす可能性が少なからずあるため義務化はせず、強く勧める、という立場を取ると見られる。
また基本的に健康体で重症化しにくいとされる選手が、優先的にワクチン接種を受けることへの批判もある。さらに1万人以上と見込まれる、東京五輪出場選手のワクチン接種を実現するには、相当な人も時間も金もかかる。今夏、東京五輪の開催が実現するには、数多くの難題を解決しなければならない。
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