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正代は先頭走るが薄氷を踏むような相撲が何番も…大関なのだからうそでも反省の弁を聞きたい【北の富士コラム】

2021年1月23日 05時00分

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正代(右)がはたき込みで隆の勝を下す

正代(右)がはたき込みで隆の勝を下す

◇22日 大相撲初場所13日目(両国国技館)
 優勝を争う大栄翔と正代がともに勝って2敗を守ったが、2人の相撲は全く対照的であった。
 大栄翔は九死に一生の12日目の一番と違い、終始攻めの姿勢を守って、長身で柔らかいどちらかと言えば押しづらい竜電に一気の突きで快勝した。12日目の一番で吹っ切れたのか相撲に迷いも不安も感じさせなかった。
 これで残る2日間は思い切りいく覚悟ができたようだ。14日目の玉鷲は決して楽な相手ではないが、幸いと言っては何だが、玉鷲の相撲が勢いをなくしている。しかし不調とは言っても決して油断のできる相手ではない。それと立ち合い変化をする力士ではないので、思い切り当たって押すが良い。
 玉鷲も当たりには当たりで、押しには押しで勝負してくれる相手である。良い相撲を取って、正代に大きなプレッシャーを与えることも大事である。
 正代の対戦する照ノ富士は右四つになると無類の強さを見せる。正代はおそらく体当たりからもろ差し狙いでくるに違いない。そして一目散に前に出てくるだろう。早く勝負に出る正代に対し、右四つに組み止めたい照ノ富士。どちらが有利か常に難しい予想を迫られるところだが、私は照ノ富士が正代の出足を止め、右四つ、胸を合わせて勝つと思っている。
 今場所の正代は2敗で一応先頭を走ってはいるが、相撲内容はそれほど良いとは思っていない。速攻の相撲も何番かあったが、薄氷を踏むような相撲が何番も印象に残っている。隠岐の海戦も本日の隆の勝との一番も、相撲内容では完全に負けている。
 あの大きな体の割に軽快な土俵際の回り込みのうまさは良い悪いは別として、才能のひとつだ。しかし、いずれは用心され、研究され、その手は食わなくなるだろう。今はただ勝ち運に乗って、無邪気に喜んでいるだけだ。やはり大関なのだから、うそでもいいから反省の弁でも聞きたいものだ。
 それが正代の素直で良いところと言う人もいるが、大関と言う立場を忘れてはいけない。「勝っておごらず、負けて腐らず」。名門双葉山道場の流れをくむ力士だけに、誇り高い大関になってもらいたものだ。勝って散々文句を言われるのは、正代も面白くないだろうが、余り手放しで喜ぶのでついひと言言わしてもらったわけです。
 どうやら優勝は千秋楽まで持ち越されたが、正代は朝乃山戦が残されているので、わずかに大栄翔に利があるみたいだ。
 千秋楽が近くなると、さすがに疲れが出てくる。この原稿も何を言いたいのかよく分からない。きっと空腹のせいもあると思う。飯が先か、原稿が先か。実は大いに悩んでいるのです。さて何を食べようかな。(元横綱)
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