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夢の兄弟世界王者へ“モンスター”尚弥も絶賛した弟・井上拓真のOPBF王座奪取劇【山崎照朝コラム】

2021年1月22日 11時16分

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井上拓真(右)と兄・尚弥

井上拓真(右)と兄・尚弥

 ボクシングの東洋太平洋(OPBF)バンタム級タイトルマッチが14日、東京・後楽園ホールで行われ、元WBC世界バンタム級暫定王者井上拓真(25)=大橋=が王者栗原慶太(28)=一力=に9回2分25秒、3―0の負傷判定で新王者に就いた。序盤の2回に偶然のバッティングで栗原が左目尻をカット、傷口を広げた。
 拓真は一昨年11月、ウバーリ(フランス)とのWBC王座統一戦に敗れての再起戦で内容が注目された。拓真は15勝(13KO)5敗の栗原に対し、序盤から左右の素早い動きで的を絞らせなかった。これをリングサイドでアドバイスを送った兄・尚弥(WBA&IBF統一バンタム級王者)も絶賛。「1年2カ月ぶりの試合で不安な気持ちもあったがこれが井上拓真の強さ。後は倒すまでの流れをつかめばもっと伸びる」と夢の兄弟世界王者に向け、自信をのぞかせた。
 国内で兄弟世界王者と言えば亀田3兄弟がギネスに載る。アジアではタイのカオサイ(WBAジュニアバンタム)&カオコー(WBAバンタム)のギャラクシー兄弟が人気を博したが、尚弥は今や世界の“モンスター”で、拓真もタイトル奪取で評価を高めた。試合後には既に結婚し、昨年秋に女児が誕生していたことをサプライズ公表した。
 守る家族ができると強い。一日も早い世界王者を期待したいところだが、新型コロナに足を引っ張られそうだ。日本ボクシングコミッション(JBC)と日本プロボクシング協会(JPBA)は8日に行われたウイルス対策協議会で緊急事態宣言が出ている1都3県では無観客での興行を推奨し、観客を入れる場合は午後8時までに終えることを決めた。
 かつて選手は年間2、3試合を戦うのが普通だったが、それもままならなくなっている。世界戦にも影響が出ている。WBO王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)との3団体統一戦を予定していた井上尚弥も防衛戦が延期となったまま。
 最近は芸能事務所と契約する世界王者や有望選手が増え、ボクシング以外にも活路を見いだしている。ボクサーも人気商売だけにいいことだとは思うが、やはりボクサーはリングで輝くのが一番。春一番が吹くのももうすぐ。コロナ禍が和らぐのを待ちたい。(格闘技評論家)

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