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効率化や新ビジネス 創出 デジタルで変わる企業

2021年1月21日 05時00分 (1月21日 10時11分更新)
自社独自の受発注システムをパソコン画面で操作する伊勢豪範社長=高岡市佐野で

自社独自の受発注システムをパソコン画面で操作する伊勢豪範社長=高岡市佐野で

高岡・イセ 年4500時間労働短縮

 進化を続けるデジタル技術で企業活動を変革し、新たな価値を生み出す「デジタルトランスフォーメーション」(DX)が北陸の企業でも注目されてきた。既に業務効率化でDXの実用化に踏み出し、新たなビジネスの創出にまでつなげる企業も登場。5Gで社会の変革がさらに加速するとみられる中、デジタル化に向けた企業経営者の姿勢が問われることになりそうだ。(中島健二)
 二〇〇四年に欧州の研究者が提唱したとされるDXは、人の能力や紙に頼って手間も時間もかけるビジネスのやり方をITや情報通信技術(ICT)、クラウドなどの技術を使う新しいシステムに転換し、企業だけでなく社会も変革することを意味する。日本でも一八年に経済産業省が推進のガイドラインをまとめて企業の取り組みを促している。
 そんなDXによる業務効率化に北陸で乗り出しているのは包装資材卸売り販売のイセ(高岡市)。もともとファクスや電話でのやりとりで行っていた商品の受発注を六年前、インターネットを使って商品の動きを管理する独自のシステムに移行した。
 「e−zi(イージー)システム」と名付けられたこの手法は、ネット通販のようなパソコン画面上の簡単な操作で受注、発注が行え、納期などの情報をリアルタイムで取引先と共有できる。
 「従来手法だと朝にお客さまからの注文書がファクスで何十枚も届き担当ごとに処理していた。時間も手間もかかっていたが新システムでその時間がぐんと減った」と、同社四代目の伊勢豪範(たけのり)社長。二年前には請求書や伝票など単純な書類作成を自動的にこなすソフト「ロボティック・プロセス・オートメーション」(RPA)も導入したことで年間四千五百時間の労働時間短縮を実現したという。
 同社は、効率化で生まれた時間や労力を商品開発などに活用しているほか「地域の企業が抱える人手不足解消に貢献したい」(伊勢社長)とRPAの代理店業務などを行う部署を新設。地域企業へのRPAの普及事業を展開している。
 伊勢社長は「いかに時間の付加価値を生み出すかが企業に問われている。そのためにもDXは必須」と強調する一方で、DXの本格展開はまだこれからだとも認識。データ活用技術のソフトウエアを企画開発する「アークネクト」(東京)社長で、砺波市出身の地村未知弘さんから助言を受けるなどして取り組みの深化を目指している。
 その地村さんは「DXには、アナログの部分をデジタルにして効率化を図る守りの側面と、お客さまに新しい価値を提供する攻めの側面がある」と説明。「できることからやって、まずは一歩踏み出すことが大切。それを広げていけばいい」と呼び掛けている。
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 この記事は二十日夕に放送した富山テレビ放送「中島流!深掘りTOYAMA」との連動企画です。中島流の次回は二十七日のライブBBT午後六時台に放送します。(放送日は変更になることもあります)
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