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過去に“市場見誤ったサイ・ヤング賞投手”も…巨人・菅野に見せてほしいメジャーでの雄姿 夢実現へ妥協点を

2021年1月18日 22時00分

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ポスティングによるMLB移籍はならなかった巨人の菅野

ポスティングによるMLB移籍はならなかった巨人の菅野

◇日本人初メジャースカウト「大慈彌功論」
 メジャー移籍を目指した菅野智之投手(31)が日本残留を表明してから早10日以上がたった。残留を決めた理由として、100%納得できるものがなかった、また、もうちょっと時間があれば、とも語っていた。
 ポスティング申請のタイミングもあるが、確かに1カ月の交渉期間は短すぎ、改正が必要だろう。まして、今オフはコロナ禍で緊縮財政を余儀なくされる球団も多数あり、例年にないほどFA市場の動きが鈍い。
 各球団には年俸総額の枠がある。菅野を中心に市場が動いていた訳ではなく、同じ先発右腕でFAナンバーワンのバウアー投手、次に位置する田中投手さえもいまだ所属先が決まっていない。
 菅野にオファーを出したメジャー球団側から私に届いた声を要約すると、必ずや戦力になるとの評価で、実力は認めていた。一方では、年齢、腰の故障歴を鑑みた場合、4年以上の保証は難しく、菅野側が望む金額はかけ離れたものだった。そして異口同音に、獲得に向けてベストは尽くした、と言い切っていた。
 さらに、今回は契約には至らなかったものの、菅野の決断には敬意を払い、巨人と1年のみの契約に関しては歓迎を示していた。コロナが収束し、ファンも戻って来て、正常に野球ができる環境になれば、来年、再度の挑戦をしてもらいたいと言っていた球団もある。
 過去にはこのような例もある。メジャー全体で総収入が右肩上がりだった2018~19年にかけてのオフ、15年のサイ・ヤング賞左腕カイクルが、アストロズからFA権を行使し市場に打って出た。翌シーズンは31歳で迎えるにも関わらず5年契約、当然高額な年俸を要求。妥協点を見いだせないまま時間ばかりが費やされ、契約できたのはFA権行使から半年以上が経過した19年6月7日。それも単年契約だった。市場を見誤ったとしか言いようがない。
 菅野には日本人最高峰の投手の一人として、メジャーでの雄姿をファンに見せてもらいたい。評価は金額に表れるが、夢を追い続け、それを実現させるためなら、いかに納得できる妥協点を見いだせるかであろう。
 ▼大慈彌功(おおじみ・いさお)元太平洋クラブ(現西武)捕手。ロッテでバレンタイン監督の通訳を務め、1997年からは同監督が指揮を執ったニューヨーク・メッツで日本駐在スカウトに転身。ドジャース、アストロズと渡り歩き、一昨年までフィリーズの環太平洋担当部長を務めた。

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