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長いこと相撲を見ているが…これだけ危なげない勝ち方を続ける押し相撲力士を見たことがない【北の富士コラム】

2021年1月17日 05時00分

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隆の勝(右)を攻める大栄翔。北の富士さんも絶賛の押し相撲で無傷7連勝

隆の勝(右)を攻める大栄翔。北の富士さんも絶賛の押し相撲で無傷7連勝

◇16日 大相撲初場所7日目(両国国技館)
 全勝の明瀬山に土がついた。自分より大きな逸ノ城だけに早い勝負に出たようだ。立ち合いは当たってすぐに前に出る明瀬山だが、上体に足がついていけず引き落とされるとバッタリと前に落ちた。相撲のうまさは明瀬山が上回っているので上手を引いて頭でもつけた方が良かったと思うのだが、元気に任せて勝負を急いでしまったようだ。まあしょうがないでしょう。8日目からも頑張って勝ち越してもらいたい。
 元気といえばこの人しかいないでしょう。大栄翔はもうどうにも止まらない状態である。私の予想は激しい攻防になるだろうが、ひょっとすると隆の勝の方が有利と見ていた。ところが勝負は一瞬のうちに決まってしまった。とにかくものすごい当たりであった。頭で当たる音が皆さんの耳にも届いたと思います。どうやら大栄翔が当たり勝ったようで隆の勝の腰がガクンと落ちたように見えた。大栄翔はそのわずかなチャンスを見事に捉えて今場所猛威を振るっている左の喉輪で一気に前に出る。これにはさすがの隆の勝も指一本触れることなく土俵下まで飛ばされた。あまりの強さにさぞ驚いたことだろう。見ていた私も思わず強いと口走ってしまったものだ。これで7連勝。いずれも非の打ちどころのない完璧な相撲ばかりである。私も長いこと相撲を見ているが、これだけ危なげない勝ち方を続ける押し相撲力士を見たことがない。
 すでに上位力士との対戦が終わっているので優勝争いの上でも大いに有利とみられるだろうが、そうはうまくいかないのが相撲の難しいところである。下位力士に対し、あの強烈な立ち合いができるかどうかである。人間だからどうしても星勘定をしてしまうものだ。そこで邪心が出ても不思議ではない。8日目からの下位力士との対戦に迷いなく当たれるかどうかが問題となってくる。もし7連勝の相撲を取り切れば全勝だって可能である。さてどうなりますか。
 正代も1敗を守り追走している。朝乃山も3敗で何とか頑張っているので大栄翔次第では面白くなりそうである。
 貴景勝が栃ノ心を破り2勝目。さぞ苦しいことだろう。これから勝ち越すのは大変だろうが、いい経験だと思って今場所を乗り切ることである。
 今場所は長く感じる。正直、体調はあまり良くない。足の方はだいぶ良くなってきている。貴景勝同様、私も頑張ろう。
 それから国技館ハヤシライスだが、価格の割にはうまい方だろう。もう少しタマネギや肉の歯触り、食感があっても良いだろう。吾妻橋の近くに「レストラン吾妻」がある。このハヤシライスは絶品である。私の舌は「吾妻」の味に慣れているので少し評価が厳しくなった。ただで頂いたのに申し訳ない。
 少し体がかったるいので薬膳おかゆを食べて早く床に就きます。
 (元横綱)
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