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ボストンコンサルティングからDeNAへ…プロ野球の新たな潮流作る2人の“経歴” 人材が旧態にもたらす革命

2021年1月14日 11時49分

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横浜スタジアム

横浜スタジアム

【データが導くプロ野球新時代】
 150キロの球を投げたり、打ち返したりができる(できた)必要は全くない。プロ野球の新たな潮流をつくっている2人の経歴を紹介する。
 ソフトバンクの関本塁GM補佐兼データ分析担当ディレクター(44)は、愛媛大(工学部)では「1番・中堅」として活躍したが、卒業後はシステムエンジニアをへてデータスタジアム社に入社。「一球速報」の開発に携わった後、2013年にソフトバンク球団に入った。
 「バイネーム(指名)ではなかったんですが、ホークスからデータスタジアムに『こういう人がほしい』と。いち企業がいち企業に人をほしいなんて、ムチャクチャな話ですけどね(笑)」
 一方、DeNAの壁谷周介チーム統括本部チーム戦略部長(43)の野球歴は「本当に遊び程度」。一橋大商学部で組織論、戦略論を専攻し、ソニー、ボストンコンサルティンググループをへて、12年にDeNA球団に入社した。
 「ベイスターズを買収したときに、日経新聞の『球団幹部募集』みたいな広告を見て応募したんです」
 求人広告を見なければ「そのままコンサルをやっていたと思う」という人生の転機。2人に共通するのは、最初から野球界への野心を抱いていたわけではないという点だ。ただ、採用した側には革命を推進してもらいたい思いはあったはず。実際、肩書と権限をもった2人には野球界の「旧態」がハッキリと見えた。スコアラーが撮影し、編集した映像を、部屋に集まってみんなで見る。選手に渡すときはDVDにダビングする…。
 もっとも、今では機器を更新する頻度に多少の差はあっても、データの収集量は、どの球団も大差はない。解析し、各選手が端末で共有するシステムも構築されている。球団間で差がつくのは人材だ。膨大な数字(データ)を処理しきれず、消化不良を起こすチームと、速やかに処理・解析し、取捨選択した上で選手に示すチーム。ただ、この2人が本当にすごいのは、古い体質の組織に入り、データの有用性を理解してもらい、聞く耳をもたせたことだ。
 「僕は(選手として)挫折した人間。プロに入っている時点で、選手をリスペクトしています」
 関本さんはスーツで分析室に閉じこもるのではなく、ジャージー姿で球拾いをして選手との意思疎通を欠かさない。壁谷さんは「プロ野球出身じゃない人が、チームの中にいること自体がもう違和感でしかなかった。『誰やこいつ』というところから始まった」と苦笑した。
 分析といえば元プロが歩む第二の野球人生だったが、今や選手としての経験値は問われない。必要なのは仕事への情熱とデータを読み解く力、そしてコミュニケーション能力。大リーグ(マーリンズ)では、史上初めて女性GMが誕生した。いずれ日本でも性別の壁が壊され、女性アナリストが誕生する日がきっと来る。(特別取材班)
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