<言葉は人なり> (中)持ち味・人柄

2021年1月14日 05時00分 (1月14日 22時48分更新)

稲垣豊子さん(69)=無新

教員以外の仕事は考えたこともなかった。私にはそれしかなかった
 稲垣は三十八年間にわたった教員生活を「一担任」として勤め上げた。二度の産休を除けば一度も休まなかった。「人と関わり、子どもと一緒に成長できる仕事。やめようと思ったことは一度もない」。教員を続けてきた理由を記者に問われ、教職への思いを熱っぽく語った。
 県内には教え子も多い。選挙期間中の再会も、一度や二度ではない。街頭演説に教え子が訪ねてきて、思わず涙したこともある。「家庭の事情で大変だった子もいたけど、成長した姿を見られてうれしい。選挙が終わったらゆっくり話したい」。教師の顔に戻った。
 「教員時代のことを誇らしげに語るつもりはない」という稲垣。「自分が見逃していてつらい思いをしていた子もいたかもしれない」と思うからだ。退職した今も「学校の外から教育をよくしたい」と、誠実に教育と向き合い続けている。

古田肇さん(73)=無現

実はクレープ(ガレット)を食べられないと言うわけにはいかない。食べようと覚悟を決めた
 古田は、そばアレルギーである。だが、そば粉で作るフランス風クレープ、ガレットを口にしたことがある。
 経済産業省に入省し、二十代後半、仏国立行政学院(ENA)に二年間留学。友人との別れ際、ブルターニュ地方の名産、ガレットの有名店に誘われた。
 食べるとアレルギーが発症してしまう。だが、もてなしは断れない。友情の証しだと覚悟を決めた。「別れに胸がいっぱいでそんなに食べられない」と言い訳しながら三時間かけて平らげた。友人の家族全員に見送られ、「この味は忘れない」と言って列車に。すぐにトイレに駆け込んだ。
 今となっては笑い話だ。このエピソードを話す時、満面の笑みになった。仕事には妥協は許さない古田だが、時にユーモアを交え、周囲を引き込む気さくさもある。フランスとの縁は知事になっても続き、両国の交流にも力を注ぐ。

江崎禎英さん(56)=無新

武道をやっている者としては覚悟と潔さ。モットーかな
 学生時代に合気道を始めた江崎は六段の腕前だ。師範でもある。東京大時代、合気道会で週に五日、稽古に打ち込んだ。三年で主将に。六十人以上の部員をまとめあげた。
 流派の全国大会でのことだ。実力ある四年生たちが、江崎ら三年生が出るべきだと出場を譲ってくれた。「期待を裏切れない」。同級生とともに「入賞できなかったら辞めよう」と覚悟を決めて必死で猛特訓した。四年生も稽古の相手をしてくれた。
 結果は、団体戦で東大として初の優勝。江崎は「どんなに苦しくても、乗り越えられる」ことを学んだ。
 学生時代に培った精神は仕事にも生きる。「覚悟を持って決める。決めたらぶれない」。合気道を通じて学んだことだ。競技中は気迫の表情の江崎。普段はといえば、笑顔でいることを心がける。それが理想のリーダー像だと思うから。
 (文中敬称略)
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