【石川】防火設備上に雪捨てないで 火災時に初動遅れの危険性

2021年1月14日 05時00分 (1月14日 10時11分更新)
除雪車が来ない路地で、懸命に雪かきをする住民=13日、金沢市主計町で 

除雪車が来ない路地で、懸命に雪かきをする住民=13日、金沢市主計町で 

  • 除雪車が来ない路地で、懸命に雪かきをする住民=13日、金沢市主計町で 
  • 防火水槽を覆うように積まれた雪の山=13日午後、金沢市寺町5で

重伝建の金沢寺町 水槽埋もれる

 記録的な豪雪の影響を受けた石川県内で除雪が進められる中、木造建造物が数多く残る金沢市の市消防局は、消火活動の際に使う防火水槽や消火栓の上に雪を集めないよう注意を呼びかけている。記者が国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に指定されている寺町台を訪ねると、地下にある防火水槽のふたが雪に埋もれていた。(小佐野慧太、小川祥)
 寺町台を歩くと、「防火水そう」と書かれた赤い標識の目の前に、二メートルを超える高さの雪の山が築かれていた。周辺は木造の神社仏閣が集中し、人気観光スポットの忍者寺(妙立寺)も近い。近隣住民によると、この雪の山は除雪業者が周辺の道路の雪を集めて置いたものだという。
 近くに住む女性(76)は「これじゃあ、しばらく防火水槽は使えないね。高齢の住民が多いから、雪をすかしてくれるだけでありがたいけれど」と話していた。
 市道路管理課は除雪業者に、防火水槽や消火栓の上に雪を集めないよう特に指導はしていない。高木陽一課長は「防火設備の上に雪を集めてはいけないというのは、常識で分かること。業者の間でそうした例があったとすれば、指導を徹底したい」と話した。
 市消防局によると、消火栓や防火水槽の周囲は、積雪があった場合に消防署員や消防団員が出動して雪かきをしている。喜田徹警防課長は「『防火水そう』『消火栓』と書かれた赤い標識に注意して、絶対に雪捨て場にしないで。火災が起きた場合に初動が遅れ、延焼が広がる危険がある」と呼び掛ける。
 同じく重伝建に指定されている主計町(かずえまち)では、歴史ある木造の町並みを守るため、住民が協力して雪かきをする姿が見られた。柄崎(つかざき)隆司町会長(50)は「火災などのいざという時に消防隊員が裏道を通れるようにという意識は持っている」と話していた。
 長女と二人で暮らす主婦田中悦子さん(74)は自宅近くの「あかり坂」を十メートル近く一人で雪かきをした。「ここらへんは木造が多いので、火事でもあったらすぐ燃え広がってしまう。狭い道にも、融雪装置をつけてもらえれば」と求めた。

【メモ】木造建築が多い金沢市の防火対策=金沢市は、市内の伝統建築物群保存地区4地区の住民に対し、消火器など防火設備の設置費用の9割を補助している。4地区は、ともに茶屋街が残る浅野川右岸の東山ひがし(1・8ヘクタール)と左岸の主計町(0・6ヘクタール)、ともに寺院群がある卯辰山麓(22・1ヘクタール)と犀川左岸の寺町台(22ヘクタール)。このほか、市消防局は2016年の新潟県糸魚川市の火災をきっかけに、市内の30区域169町会を市木造建築物密集地域に指定しており、町会ごとに消火器の購入費の3分の2を補助している。


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