若狭町で官製談合疑い 情報漏えい職員逮捕 入札妨害容疑社長も

2021年1月14日 05時00分 (1月14日 09時53分更新)

家宅捜索に入る福井、富山県警の捜査員=13日午後6時4分、若狭町役場三方庁舎で

百田貢容疑者


 若狭町が発注した大気汚染測定局の新設工事の入札情報を漏らしたとして、福井、富山県警合同捜査本部は十三日、官製談合防止法違反の疑いで、同町総務課主査百田貢(ももたみつぐ)容疑者(47)=同町藤井=を逮捕した。また、情報を基に工事を落札したとして、公競売入札妨害の疑いで、電気工事会社「村田電気設備」社長村田優(まさる)容疑者(73)=同町能登野=を逮捕した。県警によると、二人は容疑を認めている。捜査本部は同日、同町役場を家宅捜索し、関係書類などを押収した。

町が発注し、設置した大気汚染測定局=若狭町若狭テクノバレーで 

 

逮捕された村田容疑者が経営する村田電気設備の倉庫=若狭町能登野で

逮捕容疑では、二〇一九年七月十二日の大気汚染測定局新設工事の指名競争入札に関し、百田容疑者は同月五日ごろ、村田電気設備事務所内で予定価格に近い二千三百三十五万円で入札するよう村田容疑者に教えて落札させたとされる。村田容疑者は情報を元に同金額で工事を落札し、入札の公正を妨害したとされる。
 福井、富山県警などによると、百田容疑者は事件当時、環境安全課主査として入札の予定価格の積算や入札金額の算出などを一人で担っていた。村田容疑者とは十年以上前から業務などでつきあいがあったという。富山県警が、同県内の企業が被害者となる詐欺事件を捜査する中で、発覚した。今後は金銭の授受などの可能性を含め捜査を進める。
 若狭町によると、百田容疑者は昨夏から勤務を休み、総務課付となっていた。森下裕町長は「全体の奉仕者として法令等を順守し、まちづくりを着実に推進していかなければならない立場にありながら、町民の信頼を著しく失墜させる事態となりましたことに深くおわび申し上げます。厳粛に受け止め、信頼回復に全力で取り組んでまいります」とコメントを出した。

職員や業者驚きの声

 若狭町が発注した大気汚染測定局の新設工事を巡る官製談合事件。町職員と町内の業者が逮捕され、職員や町内の業者から驚く声が上がった。
 町によると、百田貢容疑者は一九九四(平成六)年四月、旧三方町に入庁。建設課や上下水道課などを経て、二〇一七(平成二十九)年五月から環境安全課主査として、環境保全に関する業務全般を担当していた。
 百田容疑者が入札情報を漏らしたとされる大気汚染測定局は、工業団地がある同町若狭テクノバレーの化学薬品会社の工場で一八年七月に起きた爆発事故を受けて、設置された。大気汚染の原因とされる窒素酸化物などを測定する機器で、一九年十月から稼働している。
 町によると、百田容疑者は測定局新設に関わる業務の現場責任者を担当していた。百田容疑者は昨年七月二十九日から有休を取り、九月九日からは欠勤している。十月以降は総務課付。これまでに処分はなく、無断欠勤もなかったという。勤務態度について上司は「温厚な人柄で仕事はきっちりとやってくれていると思っていた」と話した。 (栗田啓右)

「聞いたことない」

 「談合なんて話は聞いたことがなかった。おじいちゃんが一人でほそぼそとやっている会社だと思ってたが」。村田優容疑者の会社近くにある建設会社の担当者は、逮捕の知らせに驚きを見せた。
 町内の電気業者によると、村田電気設備は行政と一般の顧客を相手に、電気と給排水の設備工事を請け負っていた。村田容疑者の高齢に加え、町の公共事業も減っていたため、ここ五年ほどは仕事量が少なくなっていたという。事務所近くに設置されていた会社看板も、同じころから取り外されていた。
 大気汚染測定局新設工事の入札に参加した電気業者は「警察の捜査を受けているので入札について詳しくは答えられないが、あってはならないことだ」と憤った。 (高野正憲)

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