明瀬山は気力旺盛で若手のよう つい平幕優勝に期待してしまう いっぽう貴景勝は重圧に…【北の富士コラム】

2021年1月14日 05時00分

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明瀬山(左)が寄り切りで翠富士を破る

明瀬山(左)が寄り切りで翠富士を破る

  • 明瀬山(左)が寄り切りで翠富士を破る
◇13日 大相撲初場所4日目(両国国技館)
 4日目は熱戦が続いて面白かった。幕内前半から後半まで、どの相撲も良かった。こんなのは、めったにないことだ。どの相撲も攻防があり、何か得したような気分である。

 中でも、明瀬山と翠富士の一番は、ベテラン明瀬山が元気者の翠富士を上回るような意地と気力で4連勝は見事だった。まだ先は長いが、1年前の徳勝龍のこともあるだけに、平幕優勝を期待してしまう。体のほうは、失礼ながらすっかりしぼんできているが、気力は旺盛で新入幕の若手のようだ。遠藤と栃ノ心の相撲も力が入った好勝負だった。
 大栄翔は、この日も元気いっぱい、強烈な突き押しで、前日に朝乃山を破って意気上がる御嶽海を、一気の突きで土俵下まで吹っ飛ばした。立ち合いの当たりといい、文句のつけようがありません。先場所あたりから、安定感は感じていたが、今場所に入って一気に花開いた感じである。
 貴景勝を引き合いに出して申し訳ないが、押し相撲は、よほど心技体がともなわなければ、好調の持続は難しい。今の大栄翔を見ていると「一心不乱」を感じるのである。目指すは大関であろう。当然、優勝も視野に入っていると思う。
 正代も大関の貫禄を見せつけ、琴勝峰を寄せ付けなかった。体では、大関に見劣りしない琴勝峰だが、まざまざと力の差を思い知らされたのではないか。私も初めて、大鵬、柏戸さんと取った時は、全く相撲にならなかったのを覚えている。今、振り返っても、どんな相撲だったのか、記憶に残っていない。だから琴勝峰も力を落としては駄目だ。そのうちに相撲になってくるから心配することはない。
 心配なのは、貴景勝である。胸を出してくる宝富士は押せるだろう、と見ていたが、宝富士はびくともしなかった。左上手を取られ、つぶされてしまった。つい4日前には、横綱昇進の話をしていたのに、今はいつ休場するかに変わってしまった。
 不調の原因は「重圧」と私は2日目の原稿で書いている。その「重圧」は日々、重くなってきている。一番、自分の相撲で勝つことが大事というのはわかるが、その気力が残されていようか。大いに心配である。
 心配といえば、緊急事態宣言である。気の小さい私は、実に心細い日々が続いている。いくら気をつかっても、運が尽きれば、それまでのことである。今、テレビで菅首相が外出を控えるように呼びかけているが、私はテレビ、ラジオ出演以外は外出したことはない。去年の4月から、2度ゴルフに行ったが、今は部屋から出ないようにしている。
 若い力士がコロナが怖いから引退したが、気の毒な事である。私も心臓に疾患があるので、もし感染すれば、一巻のおしまいと覚悟はしている。誰にも見取られず、焼かれ、白木の箱に入れられ帰ることを考えるとゾーッとする。それを考えると気分は悪くなるが、腹は減る。
 八角部屋の近所に弁当屋がある。そこのキーマカレーが実にうまい。実は、場所前にホッキ貝のカレーを作ってみた。北海道の人は良く食べる。弟に電話をして作ったが、見事に失敗した。どうも貝の身を煮すぎて硬くなってしまった。近いうちにもう一度、挑戦してみよう。それでは失礼。(元横綱)
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