【富山】なぜ警官標的 背景焦点 奥田交番襲撃 きょう初公判

2021年1月14日 05時00分 (1月14日 10時01分更新)
事件後、建て替えられた富山中央署奥田交番=富山市内で

事件後、建て替えられた富山中央署奥田交番=富山市内で

  • 事件後、建て替えられた富山中央署奥田交番=富山市内で
 富山市の奥田交番で二〇一八年、警察官が刺殺され、奪われた拳銃で警備員が射殺された事件で、強盗殺人などの罪に問われた元自衛官島津慧大被告(24)の裁判員裁判が十四日、富山地裁で始まる。住民の安全を守る交番が狙われ、全国で類似の襲撃が相次いだ。なぜ警察官を標的にしたのか。詳しい動機について、被告が法廷で何を語るのかが注目される(山岸弓華)
 起訴状などによると、島津被告は一八年六月、富山中央署奥田交番の裏口から侵入し、勤務中の稲泉健一警部補=当時(46)、殉職により警視=を刺殺。拳銃を奪って逃走し、近くの市立奥田小の校門付近にいた警備員中村信一さん=同(68)=も射殺したとされる。
 島津被告は逮捕当時、「警察官なら誰でも良かった」と供述したとされる。警察官を狙い、拳銃を奪った詳しい動機や背景は明らかになっていない。
 検察側は精神状態を調べる鑑定留置を行い、責任能力を問えるとして起訴した。弁護側も別に精神鑑定をしており、被告の刑事責任能力の程度や有無が争点になるとみられる。
 公判では、警備員の中村さんの妻が被害者参加制度を利用し、出廷する予定だ。この女性は昨年十二月に開いた記者会見で島津被告に「私たちがどれだけの苦しみを背負ったか分からないままで死んでもらっては困る。彼が正直に、公判の場で話してくれることを期待している」と話した。被告へ伝えたい思いを書き出し意見陳述の準備をしている。
 公判は計十一回の予定で、論告求刑は二月四日、判決は三月五日に言い渡される見通し。

【メモ】奥田交番襲撃事件と交番の安全対策=事件後、仙台市や大阪府吹田市で類似の事件が相次ぎ、交番や駐在所の安全対策が進んだ。奥田交番は安全性を強化した「モデル交番」として建て替え、2020年3月から運用を始めた。事務室とカウンターを防犯ガラスで仕切り、防犯カメラが設置されている。


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