北前船と俳壇 関係に迫る 日本遺産追加で俳句館企画展

2021年1月14日 05時00分 (1月14日 10時19分更新)
千代女と北前船寄港地にまつわる資料が並ぶ展示室=白山市の千代女の里俳句館で

千代女と北前船寄港地にまつわる資料が並ぶ展示室=白山市の千代女の里俳句館で

  • 千代女と北前船寄港地にまつわる資料が並ぶ展示室=白山市の千代女の里俳句館で
  • (右から)千代女と哥川の直筆の俳句=白山市の千代女の里俳句館で

千代女と親交 2人に着目

 白山市ゆかりの江戸時代の俳人「加賀の千代女」(一七〇三〜七五年)と交流があった、二人の人物を通じて北前船と俳壇の関係を解き明かす企画展が十三日、同市の千代女の里俳句館で始まった。三月十四日まで(吉田拓海)
 企画展は「千代女と哥川(かせん)−俳人がつなぐ本吉湊と三国湊」。同市美川地域の藤塚神社(美川南町)など文化財九件が昨年六月、文化庁の日本遺産「北前船寄港地・船主集落」に追加されたことを記念して開催した。
 展示は、美川の旧称「本吉湊(もとよしみなと)」に住んだ千代女の俳句の師、北潟屋大睡(きたがたやだいすい)(一六八四〜一七七五年)と、同じく北前船の寄港地として栄えた越前国三国(現福井県坂井市)で活躍し、千代女と交流があった女性俳人の長谷川哥川(生年不詳〜一七七六年)の二人に着目した。
 展示品の一つ「ちよ尼 哥川両書」の掛け軸は、縦二八・五センチ、横四五・八センチの大きさ。千代女と哥川それぞれの直筆で、千代女の「川音の昼はもとりて花野かな」と、哥川の「夜あらしやうきふししけき女郎花(おみなえし)」の俳句が筆で書かれている。二人は互いを訪問しており、両者の友情を物語る資料として貴重だという。大睡の句集や、北前船の模型なども展示している。
 担当した俳句館の山下法宏学芸員(48)は「港町には富が蓄積し、文学が興隆する素地があった。仮に本吉湊が栄えていなければ、千代女も大睡と出会わずに、表具屋の娘として一生を終えていた可能性もある」と指摘。「展示を通じて、北前船寄港地の文化水準の高さを知ってもらえれば」と観覧を呼びかけている。

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