悪い癖を読まれてしまった正代…弱点克服しなければ、これからも苦戦を強いられるだろう【北の富士コラム】

2021年1月13日 05時00分

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大栄翔(右)に悪い癖を読まれて敗れた正代

大栄翔(右)に悪い癖を読まれて敗れた正代

  • 大栄翔(右)に悪い癖を読まれて敗れた正代
◇12日 大相撲初場所3日目(両国国技館)
 3日目の天気は、みぞれまじりの雨で、実に寒い。土俵の方はというと、荒れに荒れて3大関が枕を並べて討ち死にとなった。
 波乱は大栄翔と正代の一番から始まった。立ち合い、胸を出す正代は、大栄翔としては思い切り当たれる相手である。初日、2日目と会心の相撲で連勝中の大栄翔は絶好調と言っていい。正代も連勝はしているが、まだ一抹の不安は払拭(ふっしょく)できていない。
 立ち合いが勝負を決めると思っていたが、予想通りの展開となった。正代は思い切り、右からのかち上げ気味の体当たりに出たが、大栄翔は低い立ち合いから激しく頭で当たり、右のど輪で突き上げた。正代のあごが上がった。続いて、左も的確にあごの下に当てる。これで正代の上体が完全に浮き上がった。ここが勝機とばかり、一気に突き出した。
 正代は一度もまわしに手をかけることもなく完敗。上体が反り返る悪い癖を完璧に読まれてしまった。この弱点を克服しなければ、これからも押し相撲には、苦戦を強いられるだろう。それには、立ち合いの腰高を直さなければならない。大きな課題だが、今の立ち合いを改めない限り、上を望むことは至難であろう。
 課題と言えば、朝乃山も似たような問題を抱えている。立ち合いの踏み込みがなく、定位置で受けて、後手に回る相撲になっている。初日も3日目も、敗因は立ち合いの失敗だ。稽古不足で完全に自信を失っている。正代と違って、原因が分かっているので、稽古さえすれば解消すると思う。御嶽海に立ち遅れ、何もできずにふがいない相撲に終わったが大いに反省してもらいたい。
 まだ2敗。優勝をあきらめるのは、まだ早い。おそらく、今場所は大混戦になると思われる。阿武咲や大栄翔、一番負けているが隆の勝あたりが優勝争いに顔を出すような気がする。
 貴景勝にも、あきらめるなと言ってやりたいが、すっかり歯車が狂った押し相撲は、立て直すのは難しいだろう。ここは持ち前の武士道精神で乗り切るしかないのだろうか。
 3日目にして大混戦の初場所だが、最後に笑うのは誰だ。皆目、見当がつかない。それだけ面白くなったということかな。
 今「原稿はまだか?」の電話が入る。本日は晩飯を先に食べたので遅くなってしまったが、飯ぐらいゆっくり食いたいものだ。まったく。
(元横綱)
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