苦境の路線バス、コロナ禍で拍車 収益の柱、高速・貸し切り不振
2021年1月13日 05時00分 (1月13日 05時00分更新)
会員限定
コロナ禍で地方の路線バスが苦境に置かれている。かねて経営難に悩まされていたところ、外出自粛などの影響で利用者が激減し、各地で路線廃止や減便の動きが見られる。路線バスは住民の足として地域に不可欠な存在。なくなってしまえば、過疎に拍車を掛ける事態も懸念される。 (榊原崇仁)
「島民の中には車を持たず、路線バスで本州の病院に行く高齢者もいる。代わりの公共交通機関がないので何とか残してほしいのですが…」。香川県坂出市政策課の乃村敏行係長はこう漏らす。
瀬戸内海に浮かぶ与島(同市)と、JR児島駅(岡山県倉敷市)を瀬戸大橋経由で結ぶ路線バスを、下津井電鉄(岡山市)が三月末で廃止にする。一二・七キロの区間には与島を含め島が三つあり、計三百人近くが住む。以前は一日六往復だったのが昨年十月に三往復に減り、ついにゼロになる。
岩手県交通(盛岡市)も二〇二〇年度に九路線を廃止し、さらに二路線の運行を三月いっぱいでやめる方針。北九州市営バスは今春のダイヤ改正に合わせ、九十二ルートのうち四十ルートの廃止を検討している。
大幅減便に踏み切った会社もある。新潟交通(新潟市中央区)は昨秋、平日四百十一便、土日祝日は...
関連キーワード
PR情報