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3年前の仲間は今日の敵…決勝PK戦 運命的なセーブの山梨学院GK熊倉【高校サッカー】

2021年1月11日 20時10分

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山梨学院-青森山田 延長後半、足がつった青森山田・安斎(下)の足を伸ばす山梨学院・GK熊倉

山梨学院-青森山田 延長後半、足がつった青森山田・安斎(下)の足を伸ばす山梨学院・GK熊倉

◇11日 全国高校サッカー選手権
 埼玉スタジアムで決勝が行われ、山梨学院がPK戦の末に前回準優勝の青森山田を破り、同じ顔合わせだった2009年度以来11大会ぶり2度目の優勝を飾った。試合は2―2のまま90分では勝負が付かず、延長も両校無得点。8大会ぶり3度目のPK決着となり、山梨学院は4人全員が成功。主将のGK熊倉匠(3年)が1本止めるなど4―2で振り切った。
 拍手も、歓声もない無観客の埼スタに歓喜の声が響き渡った。90分で決着せず、延長計20分でも決まらない。PK戦までもつれた激闘を制したのは山梨学院だ。11大会ぶり2度目となる日本一の立役者は、『決勝PK負け』の悔しさを知る守護神だった。
 PK戦が始まる直前、熊倉匠はチームメートに声をかけた。「泣いても笑っても最後だから、楽しんでこい。オレがいるから」。チームメートの緊張はほぐれ、自然と笑顔があふれた。
 青森山田の2人目。熊倉の前には、中学時代にFC東京U―15深川でチームメートだった安斎颯馬が立った。2人を軸としたチームは高円宮杯U―15で決勝まで進んだものの、PK戦で敗れて全国制覇を逃した。進んだ高校は違っても、それぞれが選んだ道で悔しさをぶつけた3年間。最高の舞台で、磨き上げた全てをぶつけ合った。
 「3年前、同じチームで悔しい思いをした。試合中、あいつのシュート止めたら『ナイスGK』と声を掛けてくれた。ただ、あいつだけには負けたくなかった」。熊倉は安斎の体の向きを見て左に飛んだ。ボールをはじくと、右拳を握った。
 試合後のピッチでは、涙の安斎に熊倉が声を掛け、健闘をたたえ合う姿があった。試合後、熊倉は「FC東京U―15時代のチームメートの存在について」質問され、こう語った。
 「(中学時代は自分のミスから失点して)負けた瞬間、顔を合わせられなかった。それでも『おまえのおかげでここまできた』と、周りの選手たちが言ってくれた。そんなチームメートとまた決勝で戦えた。本当に感謝している」
 最高の仲間を破り、悲願の日本一。「本当にうれしいという言葉だけ」。熊倉の顔から白い歯がこぼれた。

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