栃錦も柏戸も千代の富士も…初日黒星から綱とり成功、貴景勝に40年ぶりの“ドラマ”期待【大相撲】
2021年1月10日 20時28分
◇10日 大相撲初場所初日(両国国技館)
立ち合いで押し込めない。思わず引いて御嶽海を呼び込むと、あっけなく押し出された。貴景勝が初めて挑む綱とり場所は、ほろ苦いスタートとなった。
非常事態宣言下で始まった場所。何かが違うのか。大関として初日に黒星を喫したのは今場所が初めてだったが、貴景勝は「全く一緒です」と即座に否定した、
ただ悲観している暇などない。「理由があって負けてるから、修正していかないといけないし、切り替えていかないと。勝たなきゃ意味ない。明日に向けてやっていこうと思う」。角界に押し寄せるコロナの脅威。65人という大量の休場者となり、横綱もこれで3場所連続で初日から不在。出場力士の中で最上位の貴景勝には背負うものがたくさんある。
八角理事長(元横綱北勝海)は「反対側に押していこうという気概がないとね。そこを引くんじゃなくて」と注文をつけたが、「開き直っていくしかない、明日から。初日負けて優勝した人はたくさんいる」とハッパをかけた。
昭和以降では1953年1月の鏡里から、81年7月の千代の富士まで計6人が、初日黒星を喫しながら横綱昇進を成し遂げた。貴景勝にも40年ぶりにそんなドラマを期待したい。
「どんだけ考えても、ああすれば良かったと思ってもかえってこないから。できることは明日の相撲しかないから。明日の相撲に集中する」。後ろを振り向かないのも貴景勝の強さ。巻き返す時間はたっぷり残されている。
◆初日負けて綱とりに成功した大関
▽1953年1月 鏡里 14勝1敗(優勝)
▽54年9月 栃錦 14勝1敗(優勝)
▽61年9月 柏戸 12勝3敗(優勝同点)
▽64年1月 栃ノ海 13勝2敗
▽79年7月 三重ノ海 14勝1敗(優勝同点)
▽81年7月 千代の富士 14勝1敗(優勝)
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