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海外メディアに五輪懐疑論 緊急事態宣言 世論と温度差指摘も

2021年1月9日 07時14分 (1月9日 07時19分更新)

五輪マークのモニュメントと東京五輪の開会式が行われる国立競技場(奥)=東京都新宿区で

 【ジュネーブ=共同】新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、今夏の東京五輪開催に海外メディアから懐疑論が出始めている。首都圏1都3県に緊急事態が宣言された7日、AP通信は「ウイルスの急速な広がりが五輪の計画を危うくしている」と報じた。中止や再延期を否定する国際オリンピック委員会(IOC)や政府、大会組織委員会と、開催に否定的な国内世論との温度差を指摘する報道も目立つ。
 IOCは宣言発令を受けて「日本の当局とその対策に全幅の信頼を寄せている。日本のパートナーとともに今夏の東京五輪・パラリンピックを安全かつ成功裏に開催するため、引き続き全力で集中して取り組んでいく」との談話を出した。大会実現を改めて強調した菅義偉首相と歩調を合わせ、積極的に開催をアピールした形だ。
 しかし、各メディアは中止または再延期すべきだとの回答が6割を超えた日本の世論調査の結果を紹介するなど、開催を不安視する論調が主流。フランス国営テレビ(電子版)は「新たな緊急事態、五輪に影を落とす」と題した記事で「世論の疑念、不信感を引き起こしている」と報じた。
 英スカイスポーツ(電子版)も「国民の疑念が高まっているのに、政治家は五輪を開催すべきだと繰り返し訴えている」と批判的に伝え、4月までに開催可否が判断されるとの見方も示した。

◆五輪相「取り組み強化」

 橋本聖子五輪相は8日の閣議後の記者会見で新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が発令されたことを受け「しっかりと対策を講じながら収束を目指す。(関係機関の)連携強化を図り、東京五輪・パラリンピックに向けた取り組みを強化していきたい」と述べた。
 昨年末からの感染者数急増で「実際に開催できるのかという不安の声が増していると受け止めている」との認識を示した上で、3月に福島県からスタートする聖火リレーについて「希望のともしびとして聖火が全国を回っていけるように努めたい」と話した。

◆IPCが声明「安全な大会準備」

 国際パラリンピック委員会(IPC)は8日、新型コロナウイルスの感染急拡大で日本政府が緊急事態宣言を再発令したことを受け「安全で安心な大会を開催するため、全力で引き続き準備していく」との声明を出した。
 パラリンピックの重度障害者は、五輪とは異なるコロナ対策が必要とされる。IPCは「国際オリンピック委員会(IOC)と大会組織委員会とも連携して取り組んでいく」とした。 (共同)

◆五輪開催「確信ない」

 IOCのディック・パウンド委員(カナダ)が、新型コロナウイルスの影響で今夏の東京五輪が開催されるか保証はないとの見解を示したと英BBC放送(電子版)が7日、伝えた。IOCで最古参委員のパウンド氏は「私は確信が持てない。誰も語りたがらないがウイルスの急増は進行中だ」と述べた。
 緊急事態宣言の再発令を受け、取材に答えた。東京五輪・パラリンピック組織委員会は、必要な準備を進めるとしている。
 また、パウンド氏は改めて選手へのワクチン接種が優先されるべきだとの考えを示した。事前のワクチン接種が選手の日本入国の条件となる可能性にも言及した。 (ロンドン・共同)

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