晴れ舞台、車いすでも振り袖を 座ったまま着付け、長浜・脳性まひ女性制作
2021年1月8日 16時00分 (1月8日 16時00分更新)
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滋賀県長浜市余呉町の社会福祉士木村寛子さん(45)が、座ったままで着付けられる車いす利用者用の振り袖を制作した。成人式向けなどに希望者へ貸し出す。自身も脳性まひで車いすを使う木村さんは「車いすの人にとって和服はハードルが高く、ハレの場への参加をためらうことにもつながっている。『車いすだからできない』というイメージを取っ払いたい」と話している。 (川添智史)
車いす利用者は長く立っていることができないため、和装の着付けは難しいとされる。また、座ったままでいると帯で腹部を圧迫されるため、長時間、着物姿でいるのはつらいという。
車いす用振り袖制作のきっかけは、昨年二月に見たテレビ番組。片腕のない女性が着ていたのは、肩などに造花を大胆にあしらった衣装だった。「その人しか着ることができない服を作り、障害者の社会参加につなげたいと思った」と木村さん。一念発起して同市の障害者の相談支援施設を退職。四月に障害者支援団体「マルチスイッチ」を立ち上げ、制作を始めた。
木村さんはアパレルショップ店員の夢を諦めた過去がある。振り袖には、その悔しさを晴らすかのようにこだわりを詰め込んだ。
呉服製造卸の「きもの...
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