かわいくても餌あげないで 特定外来生物「クリハラリス」

2021年1月7日 05時00分 (1月7日 15時24分更新)
木の上などで活動する特定外来生物のクリハラリス=浜松市提供

木の上などで活動する特定外来生物のクリハラリス=浜松市提供

  • 木の上などで活動する特定外来生物のクリハラリス=浜松市提供
 かわいい外見でも餌をあげるのはやめてください−。農作物に被害を与え、生態系への悪影響も危惧される特定外来生物「クリハラリス(タイワンリス)」が浜松市内で生息域を拡大している。ペットのようなかわいい見た目で餌を与える市民が後を絶たず、駆除を実施している市は対応に苦慮している。 (佐藤裕介)
 クリハラリスは台湾や東南アジアに生息し、頭から尾まで全長四〇センチで繁殖能力が高い。市によると、市内に一万八千匹いると推定。駆除を実施しなければ二〇三〇年には十一万匹を超え、農作物への被害額は年間五千万円程度まで増加する見通し。
 野生化は一九八〇年ごろから浜松城公園周辺(中区)で始まり、二〇一八年には細江公園(北区細江町)でも生息が確認された。多くの個体は市内を横断する東名高速道路より南の地域で生息しているとみられるが、市の担当者は「今後も北に向かって生息域が拡大する懸念がある」と話す。
 ミカンや柿といった農作物の生産が盛んな地域に生息域が拡大すれば被害が広がるだけでなく、在来種のリスの生息域が脅かされる危惧もあるという。
 農作物への被害に加えて電線や住宅の木材をかじるなどの被害もあり、市は二〇一七年十月に駆除実施計画を取りまとめ、現在は金属製の箱の中に餌を置いて捕獲する方法で駆除に取り組む。その一方で、浜松城公園など一部の地域では、一見すると愛くるしい表情を見せるリスに餌をあげる市民が後を絶たないという。
 担当者は「生物の多様性を守り農作物などへの被害を防止する観点からも、かわいいからといって餌をあげるのはやめてほしい」と呼び掛けている。

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