いつも隣にいてくれた妻や娘への何よりのプレゼント…FC東京・東慶悟“V特別手記”【ルヴァン杯】

2021年1月5日 11時56分

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カップを掲げ喜ぶFC東京・東

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◇4日 ルヴァン・カップ決勝 FC東京2―1柏(東京・国立競技場)
 今季は、生まれて初めての手術を経験した。オペ時間は45分。全身麻酔から覚めたら、足にボルトが入っていた。術後初日は、めちゃめちゃ痛くて眠れなかった。
 プロ12年目で、これほど長い離脱はなかった。松葉づえなしで歩けることが、どれだけ幸せかを実感した。そういう小さな幸せの積み重ねだった。
 離脱中の4カ月間はホームの試合を全てスタジアムで観戦した。負け試合の後は必ずロッカールームに行ってみんなの顔を見た。勝っているときには感じられない本心が、そこで出てくるからだ。試合に出ているときは、そうしたことを冷静には見られない。だから、あえて俯瞰(ふかん)で観察した。そこで、チームに何が必要なのかを感じることができた。
 一方で、人数も制限されて声援のない、味スタに行く度に、サポーターのありがたさを痛感した。サポーターがつくり出す雰囲気が、どれだけサッカーに欠かせないモノかを思い知らされた。あの歓声が、一日でも早く帰ってきてほしい。それは小さいころ、歓声を浴びてプレーする選手を目の当たりにして「この中に立ちたい」「プロになりたい」と、憧れたからだ。かつての自分が感じた感動を子どもたちに味わってもらえないことを寂しく思う。
 手術から71日が経過し、骨が完治した。先生によると、30歳にしては治るスピードが速かったそうだ。豆乳と、いりこをよく食べていたおかげかな(笑)。リハビリ期間中、チームメートや監督は「早く戻ってきてほしい」「一緒に優勝したい」と声を掛けてくれた。キャプテンをやってきてしんどいこともたくさんある。でも、それを表に出すことは違うと思ってきた。それでも、僕の感情の機微をくみ取ってくれる選手や監督がここにはいる。本当に素晴らしいチームだと改めて思ったし、このチームでタイトルを取りたいと思えた。
 チームの全体練習に合流してからは心の底からサッカーができる喜びを感じた。悩みはいつもあるし、うまくいかないこともある。でも、そんなサッカーでみんなと一緒に頭を悩ますことさえ幸せに感じた。
 そして、最高の舞台に、先頭で入場できた。本来なら、けがで出場を諦めかけた場所。本当にチームメートに支えられてここまできた。この経験は大きい。監督、チームメート、関わってくれた全ての人に感謝の言葉を贈りたい。
 最後に、嫁の愛美とは、高校3年の時に出会って10年以上の付き合いになる。お互いを分かり合えているからこそ、サッカーに集中させてくれる。付き合いが長いから、時には尻をたたいてくれる。嫁や、娘には、かっこ悪いところは見せたくはない。僕にとっては、いつも隣にいてくれた愛美や娘が一番のサポーター。だからこそ、「プロポーズや、サプライズをしなかった」って小言も言われるけど、この優勝が彼女たちに贈る何よりのプレゼントだと思っている。(FC東京・東慶悟)

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