「特別なことはしない」FC東京・長谷川監督が言い続けた言葉にあった自信【ルヴァン杯】
2021年1月5日 11時43分
◇4日 ルヴァン・カップ決勝 FC東京2―1柏(東京・国立競技場)
試合終了の笛の瞬間、勝負師で知られる男は両拳を握り、スタッフたちと歓喜の輪をつくった。
就任から3シーズン目。長谷川監督が今季、言い続けた言葉がある。
「何か特別なことはしない。うちらしいサッカーができればいい」
そこにあったのは確かな積み上げと、自らが築いたサッカーへの自負だった。
2018年にFC東京の監督に就くと「勝負弱い」が代名詞だったチームを少しずつ、だが、確実に変えていった。そこにあったのはサッカーの本質の追究と日々の積み上げだった。就任当初から球際の激しさと、ひたむきな姿を練習から求めた。初めは厳しいメニューに音を上げる選手もいたが、徐々にそれが当たり前になっていった。
だからこそ、指揮官は次第に「自分たちのサッカーをやるだけ。うちらしいサッカーができればいい試合ができる」と繰り返すようになった。
この日の決勝のピッチでも、選手たちは監督の求めるサッカーを体現した。歯を食いしばって走り、1つのボールに食らい付いた。
そうして生まれた2ゴールも、まさに健太スタイルだった。前線からの激しいチェイスで相手ボールを奪うと、切り替え速く、相手ゴールへ迫る。ゴールネットが揺れる度に、監督の顔がほころんだ。
長谷川監督は試合後「交代メンバーも含めて全員がしっかりと仕事をしてくれた」と、孝行息子たちの頑張りに目を細めた。
厳しさの裏には優しさもある。だが、いつも真剣だ。
「選手たちとも勝負しながら、ぶつかり合いながらチームをつくり上げてきた。だから、気がついたこと、思いついたことは、選手やコーチングスタッフにすぐ話をするようにしている。それは、昔から変わらない」
これで、指導者として5つ目の栄冠を手にした。「タイトルを取らないと、タイトルは集まってこない。取ることによって他のタイトルが近寄ってくる。まず1つ何でもいいから取りたかった」。これが常勝軍団への第一歩―。勝負師が狙うのは来季の悲願のリーグ制覇にほかならない。
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