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肺がん治験 患者が提案  国内初 薬の適応拡大目指す

2021年1月5日 05時00分 (1月5日 11時38分更新)
 副作用を考慮し、遺伝子検査の結果や進行度合などによって、使えるかどうかの条件が厳しく定められている肺がんの治療薬。そうした中、患者の提案を元に昨年八月から、既存の治療薬の使用対象を広げることを目指す治験が進行中だ。患者発案の治験は日本で初めてとされる。背景には、医薬品の研究開発に患者や市民の意見を反映させる取り組み「PPI」の広がりがある。 (植木創太)

強い思い 製薬会社動かす


治験の実現に向け、力を合わせてきた中川教授(左)と長谷川さん=大阪市で(いずれも長谷川さん提供)


 「この治験が実現した奇跡を、後につながる軌跡へ変えたい」。そう話すのは「日本肺がん患者連絡会」の理事長、長谷川一男さん(49)=横浜市。患者提案型の治験の立役者だ。
 治験が始まったのは、肺がんの大半を占める非小細胞肺がんに使う「オシメルチニブ(商品名・タグリッソ)」。がん細胞の増殖や転移を担う特定の分子だけを狙い撃ちする分子標的薬で、国内では二〇一六年に承認された。
 ただ、既に他の分子標的薬による治療を受けている場合、使用できるのは特定の遺伝子に変異がある人だけ。一方で、変異がない人に投与した場合でも、二割は効果があるというデータもあり、患者からは「少しでも可能性があるなら使いたい」という声が上がっていた。長...

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