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ホワイトハッカー220人養成  五輪サイバー攻撃に対処

2021年1月5日 07時21分 (1月5日 09時34分更新)
 東京五輪・パラリンピックの開会式を約半年後に控え、大会組織委員会がサイバー攻撃に対処する要員「ホワイトハッカー」を二百二十人養成したことが分かった。大規模なシステム障害が起きた韓国・平昌(ピョンチャン)冬季大会を教訓に世界が注目する開会式などへの攻撃を想定。育成した人材を中核に大会を守り抜く構えだ。
 電力や交通など重要インフラのまひを狙ったサイバー攻撃も懸念されており、インフラ事業者も業界ごとに民間組織を結成。情報共有や攻撃に対処するための演習を行っている。
 組織委のホワイトハッカーは、NTTやNECなど民間企業からの出向者が中心だ。国立研究開発法人の情報通信研究機構が「サイバーコロッセオ」と呼ばれる訓練プログラムなどを通じて養成した。講義は二十科目あり、演習はチームを組んで敵と味方に分かれ、システムをサイバー攻撃から守り抜くなど実戦形式で対応を身に付けた。
 二〇一八年平昌大会では、開会式当日にシステム障害が発生。予定していた演出を一部中止し、テレビ中継をリハーサル時の映像に急きょ切り替える事態に陥った。米司法省は昨年、サイバー攻撃を実行したロシア軍のハッカー六人を訴追。英政府は東京大会も標的になっていたと発表した。
 東京大会では競技の運営や記録のため百以上のシステムが稼働し、インターネット経由でソフトウエアやデータを利用するクラウドも採用。新型コロナウイルス感染拡大でテレワークが進み、在宅勤務で使う機器が狙われる新たなリスクも指摘されている。
 東京大会はコロナの影響で観客を減らすシナリオも想定する。政府関係者は「大会そのものがサイバー空間に乗っている。開催国にはそれを世界に届ける使命がある」と気を引き締める。
 サイバーセキュリティー対策を統括する組織委の坂明(さかあきら)最高情報セキュリティー責任者(CISO)は取材に「多くの皆さんと連携し、感動を届けられるようワンチームで進めたい」と意気込みを語った。
<ホワイトハッカー> サイバー犯罪に対処するため、コンピューターやプログラミングに関する高度な技術や知識を駆使して企業や組織を守る技術者。ハッカーは一般的に、技術を悪用して保護された情報にアクセスしたりコンピューターウイルスに感染させたりする攻撃者を指すため、区別するため「ホワイト」を付ける。近年、サイバー攻撃が激化し、個人情報の流出や工場の操業停止などの被害が相次いでいることから政府や企業が育成に取り組んでいる。

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