本文へ移動

春の高校バレーあす開幕  女子北陸支えるOG 川端さん指導と金言

2021年1月4日 05時00分 (1月4日 09時45分更新)
選手たちを熱く指導する川端さん(中)=福井市の北陸高で

選手たちを熱く指導する川端さん(中)=福井市の北陸高で

 「私はできる。そう考えている人が勝つ」  

 東京都で五日から開かれるバレーボールの全日本高校選手権(春の高校バレー)に女子の北陸高が挑む。七年ぶりの出場を果たした原動力の一つが、前回の“春高”を知る越前市の川端ようこさん(24)の存在だ。「勝つって約束したんじゃないんか」。涙を流してげきを飛ばす先輩の熱意が、選手たちを突き動かしている。 (藤共生)
 昨年十月三十一日。春高の県予選決勝。ライバルの福井工大福井とフルセットの死闘を制した選手たちの胸には、ある言葉があった。数日前、川端さんが掛けた言葉だ。それは今、清書され体育館の壁に貼られている。
 「強い人が勝つとも限らない。(略)私はできる。そう考えている人が結局は勝つのだ」
 川端さんは越前市の児童養護施設「一陽」に勤めて三年目。高校卒業後も年に一度は母校を訪ねていた。月に二度ほど訪れるようになったのは、コロナ禍による休校明けの昨年六月からだ。最初は少し気になる選手がいたから。「この子らが指導に応えてくれるので、だんだん放っておけなくなった」
 七年前、控え選手として春高に出場した。控えとはいえ誰よりも熱かった。結果は一回戦敗退。試合終了後、河合香織監督と抱き合った。監督が「あんたがいたから全国にいけた」と信頼を寄せた選手だった。
 普段は優しい川端さんだが、指導となると真剣に選手と向き合う。一昨年、レギュラーに内気な性格の選手がいた。気になって練習に誘っても応じない。川端さんは怒った。「あんたとバレーがしたいんや」。その言葉が選手を変えた。
 春高が迫った十二月二十一日、川端さんは練習に顔を出した。選手を集めて話す声が次第に熱を帯びる。「これで春高勝てるんか」「あんたがやらな誰がやる」「本当に真剣に下級生に向きあったんか」「変わらなあかん」。涙を浮かべた本気の叱責(しっせき)だった。選手のほほにも涙がつたった。
 副主将の赤川絵梨さん(三年)は振り返る。「らむさん(川端さん)が来てチームは変わった。いつも本気で伝えてくれる。だからこそ何をすべきか。自分たちも応えていきたい」。河合監督は「本当は私が言うべきこと。それをあの子が本気で伝えてくれる」と感謝した。
 練習の最後、川端さんは三年生に語りかけた。「最初で最後だよ。あんたたちにとっては。だからこそ、やらなあかんことやりねや。期待してるよ」
 北陸は大会初日の五日、一回戦で松山東雲(愛媛)と対戦する。

関連キーワード

PR情報

福井発の新着

記事一覧