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川勝知事 新春インタビュー<1>

2021年1月1日 05時00分 (1月1日 05時03分更新)
2021年の抱負を語る川勝平太知事=県庁で

2021年の抱負を語る川勝平太知事=県庁で

  • 2021年の抱負を語る川勝平太知事=県庁で
  • 飛沫(ひまつ)防止のシールドを置いて行われたインタビューに答える川勝知事(左)=県庁で
 七月に三期目の任期満了を迎える川勝平太知事は中日新聞の新春インタビューに応じ、新型コロナウイルスに対応する感染症対策の専門組織の新設を明らかにしたほか、テレワークの進展などによる「ポスト東京」時代に向け、分散型の国土づくりに意欲を示した。また、リニア中央新幹線の南アルプストンネル(静岡市葵区)工事を巡り、住民が納得するまでは工事を凍結するとJR東海が表明するべきだとの考えを、強調した。 (聞き手=編集局長・林浩樹)

◆コロナ対策 「ポスト東京」時代向け

 −新型コロナウイルスの感染拡大で見えてきた課題は何か。

 感染症対策は国防問題という意識がある。防衛、防災に加え、国がきちんと疫病から国民を守る防疫を国防の三本柱として位置付ける必要がある。
 静岡は防災先進県。危機管理監が部局のトップにいて、防災の経験を積んだ人がいる。防災と防疫は静岡の二本柱。四月から防疫の組織を堅固にする。ふじのくにの危機管理は、防災と防疫からなることを明確にする。
 防疫の最後のとりでは医療体制。医師と看護師の充実が必要だ。静岡県は医学部、医科大学をなかなかつくらせてもらえず、人口十万人当たりの医師数が少ない。二〇一四年に、医学生に奨学金を貸与するふじのくにバーチャルメディカルカレッジを立ち上げた。年間百二十人に貸与し、(医学生の修業年限)六年分借りても、九年間静岡県で働けば返還義務がなくなる。
 奨学金の貸与を受け、県内で働く卒業生は五百人を超えた。良い医者を、割安で増やせている。
 −国はGo To キャンペーンで経済回復にかじを切ったが、感染拡大が止まらず停止した。先行きが見えない。
 国は今起きている危機への対応と、中期的に見据える施策ができていない。政府は三密回避や、ソーシャルディスタンスの確保を呼び掛けるだけで不安解消にはつながらない。私が首相や厚労相なら、ワクチンと治療薬を作りなさいと言う。
 一律の対策を打つのもばかげている。国内のコロナ感染者の四分の一は東京都。県内でも七百人超の静岡市、約六百人の浜松市もあれば、一人も出ていない川根本町もある。対策は地域を最も知る市町が決めたことに応じるべきだ。現場の意見を大事にすると、決断が速く、無駄もなくなる。
 −テレワークや地方移住への関心が高まっている。
 地方に住みながら仕事ができることを国民が体験した。東京一極集中はスケールメリットとデメリットがある。ポスト東京時代がコロナとともに始まった。静岡県だけでなく、都民に人気の高い長野や山梨県などと協力し、分散型の国土づくりをけん引したい。

 お断り 記事内の数字はいずれも、インタビューをした昨年十二月二十二日現在。


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