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『五輪懐疑論』へ訴えた内村航平の勇気「できないじゃなく…どうやったらできるのか、に考え変えて」

2020年12月31日 11時58分

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内村航平

内村航平

 アスリートが「パフォーマンス」よりも「言葉」で注目された大会があっただろうか。昨年11月8日、東京・代々木第一体育館。五輪で体操男子個人総合2連覇のレジェンド・内村航平(31)=リンガーハット=は切々と思いを吐露した。
 「五輪はできないじゃなく、どうやったらできるのか。そう考えを変えてほしい。国民とアスリートが同じ気持ちでなければ五輪はできない」。東京五輪開催に懐疑的な世論への、勇気ある訴えだった。
 新型コロナウイルスの感染拡大後、初めて日本国内で開催された五輪競技の国際大会。他競技が次々と大会の延期、中止を決める中、国際体操連盟(FIG)の渡辺守成会長(61)が「誰かが扉を開けなければ」と米国、ロシア、中国に呼び掛けて実現させた。順位争いは二の次。コロナ禍の下でも大会を成功させ、五輪開催へ弾みをつけることが大きな狙いだった。
 日本を含む4カ国の選手団はホテルに缶詰め状態。徹底した感染対策が取られた。直前には内村がPCR検査で「偽陽性」となるハプニングもあったが、男子個人総合の世界王者ニキータ・ナゴルニー(23)=ロシア=は「大事なことは選手と観客の安全。五輪でも同じルールに従う用意はある」と徹底した感染対策を歓迎。内村も「世界に五輪をアピールできた」と語った。
 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は大会後、「10点満点。東京五輪の成功への道しるべになった」と評した。段違いの規模となる五輪を今大会と単純に結び付けることはできない。しかし、内村のスピーチが、そしてこの国際大会参加30選手の思いが、五輪開催の機運を高めた。
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