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【FC東京・カップ戦3度目の頂点へ:4】梶山陽平 子供を指導する立場になって分かったタイトルの意味

2020年12月30日 06時00分

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04年ナビスコ杯で優勝し、表彰台でサポーターの声援に応える梶山(右から2人目)らFC東京イレブン

04年ナビスコ杯で優勝し、表彰台でサポーターの声援に応える梶山(右から2人目)らFC東京イレブン

 プロ1年目、19歳の生え抜きルーキーは初めての大舞台でもひょうひょうとしていた。
 「直前に田中達也さん(現J2新潟)が外したんで、プレッシャーもなくて、気持ちは楽な感じでしたよ。ゴールの右上を狙って、普通に入るかなと思ったけど…」
 2004年大会決勝・浦和戦。激闘は120分間でも決着せず、PK戦に突入した。MF梶山陽平(35)=現FC東京普及部コーチ=は4番目のキッカーに指名された。大役を任され、緊張するどころかうれしかった。プロになって初めてのPKだったが、自信もあった。
 でも、国立競技場の歓声は悲鳴に裏返り、暗転した。浦和のGK山岸範宏(現JFAアカデミー福島男子Uー18GKコーチ)にどんぴしゃで止められた。山岸がぐいっと伸ばした右手に阻まれ、球がクロスバーにはじき返されると、梶山は苦々しそうな表情で天を仰いだ。
 「GKが(横ではなく)上方向に跳ぶことなんてあるんだって思いました。蹴る前の駆け引きがないと入らない。甘かったですね」
 試合後にみんなで喜び、はしゃぎ、カップを掲げた感動は今も鮮明に記憶に残っている。心の片隅にあるわずかな“シミ”さえも糧となり、再び大輪の花を咲かせるための養分になっていた。
 「1試合の中でいろんなことがあって、PKも外して、優勝に貢献したというより、優勝させてもらった感じでした。それでも、クラブ初のタイトルですごくうれしかったし、自分も自信になったと思う。だから、2009年大会の決勝はすごく楽しめたし『中心選手として優勝するんだ』っていう、今までで一番高いモチベーションで臨めたのかなと思いますね」
 ナビスコ杯と天皇杯で計3度の美酒を味わった数少ないメンバーの1人。子供たちを指導する立場になった今、梶山はタイトルの意味を知り、心から渇望している。
 「もっともっとタイトルを取ってほしいんです。3大タイトルの中でも、やっぱりリーグ優勝。リーグを取らないとクラブとして、会社としてこれ以上の成長はないと思うんです。それは小学生を教える普及部に行って、改めて強く感じています。東京のリーグ優勝は子供たちにとっても本当に大きな夢なんです。だから、ルヴァン杯を必ず取って、来季のリーグ優勝に向かいたいですね」(文中敬称略)

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