中日6位・三好大倫、根性なら負けない!! 野手転向2年でプロ入り「遠回りでなく近道」【新時代の旗手2021】
2020年12月28日 06時00分
根性は人一倍だ。三好は社会人時代に野手一本に絞り、そこから2年でプロ入りを決めた。器用なようにも見えるが、父・正勝さんは「根性だけはある」と話す。少々の理不尽や逆境にめげない強さを、じっくりと培ってきた。
3兄弟の次男として生まれた。小学校入学後、兄に続いて正勝さんが監督を務める白鳥ジュニアファイターズに入団した。憧れの選手は、そのころ大リーグ挑戦した松坂(現西武)。中3までは自宅でティー打撃200球と、100回以上の素振りを日課としていた。正勝さんは「僕がやらせた部分はあったかもしれないけど、本当に好きでやっていたと思う」と三好少年の姿を振り返る。
小学校高学年から投手兼外野手。親子であり、少年野球では監督と選手。三好少年は時にチームメートの前で叱咤(しった)激励され、涙した。「打てなかったりしたら、めっちゃ怒られた。なぜ自分にだけこんな厳しいんやと」。怒られたことは今も忘れぬ苦い記憶だが「野球自体を嫌とは思わなかった」。
香川・三本松高の3年夏はひそかにプロ注目の左腕だったが、3回戦敗退。精神面など実力不足を感じてプロ志望届は提出せず、JFE西日本に進んだ。そこでも大きな壁にぶち当たった。投手として、後輩の左腕・河野(現日本ハム)に引け目を感じた。
入社3年目のチームとの面談を前に、三好は正勝さんに電話でこう伝えた。「投手では3年間ダメだったので、もういかんかもしれん。打者専念で勝負すると伝えてみる」。その後も時々の課題に応じた個人練習に取り組み、修正点をノートに書き出す作業を反復。自身と向き合った成果のノートは5年間で20冊となった。
ここまで幼少期に思い描いたシナリオ通りではなかったかもしれない。それでも三好は「投手から野手に転向して、でもその分岐点がなかったら今の僕はない。遠回りというか、むしろ近道だった」。この先に荒波が待っていたとしても、持ち前の根性で戦い抜く。
【新時代の旗手2021】
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