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羽生結弦「つかみ取りたい光に手を伸ばすことができた」 さらなる進化遂げた王者、宇野昌磨の5連覇阻む

2020年12月27日 06時00分

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歓声に応える優勝した羽生結弦。左は2位の宇野昌磨、右は3位の鍵山優真(代表撮影)

歓声に応える優勝した羽生結弦。左は2位の宇野昌磨、右は3位の鍵山優真(代表撮影)

◇26日 フィギュアスケート全日本選手権第2日・男子フリー(長野市ビッグハット)
 男子フリーはショートプログラム(SP)首位の羽生結弦(26)=ANA=がフリー1位の215・83点をマーク。合計319・36点で5年ぶり5度目の優勝を果たし、来年3月開催予定の世界選手権(スウェーデン・ストックホルム)の代表を内定させた。大会5連覇を狙った宇野昌磨(23)=トヨタ自動車=は合計284・81点の2位だった。
  ◇  ◇  ◇
 新型コロナウイルス禍に試行錯誤しながら孤独に練り上げたフリーの新演目は、王者をさらなる進化へといざなった。この日のフリー215・83点は非公認ながら、ルール改正後の自己最高点。2019年グランプリ(GP)シリーズ・スケートカナダでマークした自己最高212・99点を上回った。
 「つかみ取りたい光に手を伸ばすことができた」
 光とは来年3月開催予定の世界選手権(ストックホルム)だ。「試合でしか得られない達成感がある」。競技者は試合があって初めて苦しみを乗り越えられる。五輪王者もそれは同じだった。
 この日はロックスターになりきり会場を盛り上げたSPとは一転、呼吸するのを忘れさせるぐらい、言葉通りの息をのむ圧巻の演技を披露した。水色と白を基調とした和装に身を包んだ羽生は冒頭の4回転ループを着氷すると、続く4回転サルコーではGOE(出来栄え点)を4点台に乗せた。琵琶の音にぴたりと合わせた細やかな動きでも観衆を魅了した。
 「ジャンプをシームレスに跳ぶことができてよかった」。納得したのはよどみなくジャンプを跳び、NHK大河ドラマ「天と地と」の世界観を演じ切れたことだ。
 戦国武将、上杉謙信を描いた「天と地と」のクライマックスは、ビッグハットのある信州で繰り広げられた川中島の戦いだ。羽生自身もコロナ禍に孤独と戦ってきた。「これだけ長い期間、1人でやっていると悩みも増えた。でも1人で練習したから、人と何かでつながっていることも感じた」。天と地との次に「人」を思って演じたフリー。孤高の王者は周り支えを強く知り、一回りも二回りも成長した。

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