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コロナ売上減14~19億円…競争力向上&経営安定化の両立ミッションが待つ【名古屋グランパス連載(下)】

2020年12月24日 06時00分

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ファン感謝デーであいさつをするキャプテンのDF丸山祐市

ファン感謝デーであいさつをするキャプテンのDF丸山祐市

 J1名古屋グランパスは今季のリーグ戦を3位で終え、9年ぶりにアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の出場権を獲得した。昨季終盤に就任したマッシモ・フィッカデンティ監督(53)の下で失点を大幅に減らし、リーグ最強の堅守を構築。イタリア語で1―0を意味する「ウノゼロ」は、チームの勝負強さを示す代名詞となった。長かった低迷期から飛躍を遂げた1年を検証する。
 ◇  ◇
 異例ずくめの1年だった。クラブ内でも6~7月に計4選手の新型コロナウイルス感染が発覚。他クラブより短い準備期間で「7・4再開」を迎えた。数々の障壁を乗り越えた上での3位。19日の最終戦後、DF丸山は「たくさんの人のおかげでプレーできていることをかみしめていた」と周囲に感謝した。
 悲願のリーグ優勝に向け、クラブは来季に向けた準備を進めている。そこで懸念されるのが、新型コロナによる経済的ダメージだ。クラブは8月に、売り上げ減の見通しを昨年度比で「約14~19億円」と説明。スタジアムの観客数が制限されたことによる入場料収入の減少が大きく響いた。クラブ幹部によると、赤字分の穴埋めは今後2年間をかけて行う見込みという。
 クラブには、競争力向上と経営安定化を両立させるミッションが待ち受ける。小西社長は最終戦後に「経営の状況は、非常にかじ取りが難しい」と話した。補強については、移籍金が発生しない選手を中心に獲得を目指す方針だ。
 先行き不透明な中では、目指すべきクラブ像を明確にすることも重要だ。同社長は、今後もスローガン「攻守一体の攻撃的サッカー」を継続する方針。J1トップの堅守を土台に「縦に速い攻撃を含めた攻守一体のサッカーを監督に期待したい」と語った。
 今季は、広島の主力だったMF稲垣ら移籍組が輝いた。ただ、選手の起用は固定しがちで若手の台頭はわずか。U―18出身のDF成瀬が25試合に出場したとはいえ、後半戦はDF呉宰碩(オ・ジェソク)の加入で出番が減った。近年は経験の豊富な即戦力を積極的に獲得する一方で、「クラブの顔」となるような若手は現れにくくなっているのが現状だ。
 今季をもって、改築のため本拠地のパロマ瑞穂スタジアムが休場となった。新スタジアムの開場が予定されているのは26年。目の前の勝利を追及しつつ、そんな少し先のグランパスに思いをはせるのも悪くはない。忘れかけた勝利の喜びを思い出した20年。「常勝」に向けた第一歩はここが始まりだ。

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