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涙と笑顔…スポーツを見る人を引きつけるのはアスリートの「静」と「動」のギャップだ【山崎照朝コラム】

2020年12月23日 12時47分

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渋野日向子(左)と清水希容

渋野日向子(左)と清水希容

 笑顔ほど人を和ませてくれるものはない。先日、ゴルフの全米女子オープンをテレビ観戦していて渋野日向子(22)=サントリー=に見入ってしまった。予選ラウンドをトップで通過し、決勝ラウンドでも笑みが変わることはなかった。決勝の最終ラウンドは2バーディー、5ボギーの74。結果は通算1アンダーの4位。渋野は悔しさで涙声だったが、プレー中の笑みに癒やされたファンは多かったことだろう。
 ゴルフは好きでよく見るが、渋野ほど笑みに魅了される選手はいない。もちろん260ヤード越えのドライバーでJLPGAツアー初優勝した強いプレーもそう。1年上の先輩が付けたといわれる「しぶこ」のニックネームもいい。今はコロナ惨禍でコースは無観客が続く。いつかコースをついて回り“しぶこ笑み”を見ながら応援したいと思っている。
 残念ながら格闘技界はその性質上、試合中に限れば笑みとは無縁の世界。東京五輪で初採用される空手もしかりである。その中で「形」女子で五輪代表を決めている清水希容(27)=ミキハウス=は美形で通っている。ただ今年の全日本選手権(12月13日、日本武道館)決勝で大野ひかる(28)=大分市消防局=に8連覇を阻まれ、試合が終わっても笑顔の会見とはいかなかった。
 五輪代表のプレッシャーからだろうか、完璧さを追求するあまり肩に力が入っていた。一方、大野の演武には見ていて安心感があった。
 果物が寒暖差でおいしさを増すようにアスリートの「静」と「動」のギャップが人を引きつけると思う。涙と笑顔と言ってもいいだろう。そのギャップの幅が大きければ大きいほど厳しい鍛錬に耐えてきた証しともいえる。
 ゴルフ人口も減少傾向にあるそうだ。あらゆるジャンルで子どもたちの入会が減っているとも聞く。「しぶこ」。そしてそれに続くアスリートたちの笑顔がキッズファンを増やしてくれるといい。(格闘技評論家)

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