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“11人の共同作業”J1最少の失点28 チーム全体に浸透した守備の意識【名古屋グランパス連載(上)】

2020年12月21日 21時35分

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攻撃を防ぐ名古屋・DF中谷(左から2人目)、MFシミッチ(右端)ら

攻撃を防ぐ名古屋・DF中谷(左から2人目)、MFシミッチ(右端)ら

 J1名古屋グランパスは今季のリーグ戦を3位で終え、9年ぶりにアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の出場権を獲得した。昨季終盤に就任したマッシモ・フィッカデンティ監督(53)の下で失点を大幅に減らし、リーグ最強の堅守を構築。イタリア語で1―0を意味する「ウノゼロ」は、チームの勝負強さを示す代名詞となった。長かった低迷期から飛躍を遂げた1年を、全3回で検証する。
 ◇  ◇
 チームの方向性に、確信を得た1勝だった。8月23日の川崎戦(豊田ス)。前半44分にFW金崎が先制点を奪ったグランパスは、抜群の攻撃力を武器に10連勝中だった相手の猛攻を、体を張った守備で無失点に抑えた。「チーム全体のDF力が上がっている」。DF中谷の言葉に、実感がこもった。
 今季、GKランゲラックとセンターバック・丸山&中谷は全試合フルタイム出場。守備陣の軸となる顔触れは2018年夏以降はほぼ変わらない中、18年は59、19年は50だった失点数を、リーグ最少の28に激減させた。無失点試合は、08年の大分のリーグ記録に並ぶ17を数えた。
 指揮官が植え付けた守備は、各ポジションの役割を前提にした“11人の共同作業”。前線の選手を含めてピッチのいたる所に守備網を張って、最終ラインの負担を軽減させた。行き着いたテーマは、「いかに、簡単なボールをミッチ(ランゲラック)にキャッチさせるか」(丸山)。チームに染み渡った守備の意識は、試合後のコメントに反映。決勝点を決めたFWマテウスが「1番に注目すべきなのは、無失点で終えたこと」と、守備面に言及をするシーンは珍しくなかった。
 チームの“心臓”となる守備的MFに、稲垣を獲得できた恩恵は大きかった。過密な日程の中で全試合に先発し、個人でJ1トップの総走行距離(403キロ)をマーク。指揮官も、リーグ休止中のオンライン会議アプリを使った練習に目を光らすなど細かな状態の把握に努めた。
 18年は15試合、19年は10試合未勝利と泥沼にはまると抜け出せずにいたが、今季は連敗が1度(2連敗)と成績を安定させた。稲垣は言う。「手堅く勝ち点1を大事にしてゲームを進めることが大事」。勝ち点0か3でなく、勝ち点1をキープして勝ち点3を狙う。一枚岩になった「盾」が、今季の主役だった。
 ※データ提供はJリーグオフィシャルスタッツの「J STATS」

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