元世界女王らを連破の17歳 藤波朱理が初優勝 3年以上負け知らずシニアデビューで実力証明【レスリング】
2020年12月20日 20時11分
レスリング全日本選手権の最終日は20日、東京・駒沢体育館で男女6階級が行われた。女子53キロ級では今大会がシニアデビュー戦となった藤波朱理(17)=三重・いなべ総合学園高2年=が、元世界女王ら難敵を連破して初優勝。2024年パリ五輪へ強力な新星が現れた。
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初めての全日本に緊張するどころか、藤波には「幼いころから憧れてきた舞台。強い選手と試合ができる。わくわくしていた」と余裕があった。3試合を失点0で乗り切る圧勝劇に周囲は色めき立ったが、本人は「狙って優勝ができたのがうれしい」。早くも大物のオーラがにじみ出た。
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初めての全日本に緊張するどころか、藤波には「幼いころから憧れてきた舞台。強い選手と試合ができる。わくわくしていた」と余裕があった。3試合を失点0で乗り切る圧勝劇に周囲は色めき立ったが、本人は「狙って優勝ができたのがうれしい」。早くも大物のオーラがにじみ出た。
組み合わせは最悪。1回戦で2017、18年の世界選手権を55キロ級と53キロ級で2連覇した奥野春菜(至学館大)と顔を合わせたが、「対策は立てず、自分のレスリングを貫こうと思った」と高速タックルで得点を重ねて最後はフォール勝ち。
決勝でも19年世界選手権55キロ級2位の入江ななみ(ミキハウス)に6―0で完勝した。世界トップの猛者も、藤波のスピードに対応できなかった。
父であり、師でもあるいなべ総合学園高監督の俊一さんは「相手の脚にさわるのがうまい。天性のもの。そこから攻撃につなげることができる」。センスは世界3位の実績がある兄・勇飛(ジャパンビバレッジ)をもしのぐと語る。
レジェンドとのスパーリングも生かした。大会直前、日体大でコーチを務める五輪4大会連続金の伊調馨と練習で組み合った。「タックルに入った後の処理の仕方が大切だと学んだ」。これまではタックル後につぶされ失点するケースが多かったが、今大会では確実に得点へつなげた。
最後に敗れたのは中学2年のとき。以来、3年以上にわたって国内外の大会で負け知らず。シニアデビューで壁にぶつかるどころか、勢いは倍増した。夢は「五輪で金メダル」。4年後のパリをはっきりと視界にとらえている。
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