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福谷変身の秘密は肉体改造と自信…力まず投げて好結果、相乗効果でさらにバランス良く【ドラゴンズ総括】

2020年12月17日 06時00分

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力投する福谷

力投する福谷

 2012年の2位以来、8年ぶりにAクラス入りを果たした中日。新型コロナウイルスの感染拡大で、開幕は6月に延び、オールスター、交流戦、クライマックスシリーズも中止というかつてないシーズンを、いかに中日は乗り切ったのか。そして来季、優勝をするためには、何が必要か。5回にわたって探る。

 10月12日の巨人戦(ナゴヤドーム)、中日のリードは1点だった。先発の福谷は、6回2死から巨人・岡本に左中間を破る二塁打を浴びた。次打者に迎えた丸は、ここまでの2打席でいずれも二塁打。2ボール1ストライクという打者有利のカウントからのピッチングに、今季の福谷の真骨頂を見ることができた。
 丸の次は2打席凡退のウィーラーだったことから、最悪、際どいところを突き、歩かせてもいい場面。だが、攻めた。外角低め、147キロのツーシームで左飛に打ち取った。
 このイニングでマウンドを降りたが、プロ入り後初めて巨人から白星を挙げ、チームを7月2日以来の5割へ導いた。勝因について、「粘り強く投げること。そして特にリズムとテンポを意識しました」とコメントしている。慎重すぎた昨年までとは異なり、捕手とのサインが決まれば、すぐに始動することでテンポを生み出した。リズムは「四球を出さないように意識した」ことでつくった。
 大野雄ばかりが目立った先発陣だが、福谷の活躍がなければ、Aクラス入りは実現しなかっただろう。8勝2敗、6つの貯金は、11勝6敗で5つの貯金となった大野雄を上回る。昨年までとの決定的な違いは、制球力だ。今年の与四球率は92イニングで13個の1・27。先発ローテの中でナンバーワンの成績だ。昨年までのうち、もっとも活躍した2014年でさえ、与四球率は3・13だった。打者を打ち取りたいあまり、四隅を狙ったあげく四球を出して自滅していた投手から、ストライクゾーンで勝負できる投手への変貌。これが躍進の最大の理由と言える。
 2018年オフから津市のみどりクリニックで、肉体改造に着手した。「医学、科学、物理学に基づいて体の動きを改造していく」と言う野呂吉則理学療法士と、二人三脚で股関節の硬さ、胸椎、肩甲骨周りの動きなどを改善した。
 その結果、力任せに投げるのではなく、脱力して投げても、打たれないピッチングフォームを身に付けた。体のバランス、ボールのリリースポイントから体重移動まで、すべてを一から見直した。「見た目にはわからないかもしれませんが、すべてを変えました」と福谷。
 「今年だめなら本人も覚悟していたんじゃないか」とシーズン後、与田監督も振り返ったほど追い込まれていた福谷がたどりついた境地は「(ピッチングはどれだけ力を入れる)足し算じゃなく、いかに無駄な力をなくすか。シンプルに力をボールに伝えられるか」だった。力まないからフォームが安定する。目指していたストライクゾーンで勝負できるようにもなった。

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