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“リーグワースト”から分かる凄さ…得点圏被打率2割7分4厘中日・大野雄 ピンチに弱いがピンチが少なかった

2020年12月10日 11時14分

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得点圏被打率はリーグワーストの2割7分4厘だったが、ピンチそのものが少なかった大野雄

得点圏被打率はリーグワーストの2割7分4厘だったが、ピンチそのものが少なかった大野雄

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って【数字編・10】


 2割7分4厘。この数字は沢村賞左腕・大野雄大の数少ない「リーグワースト」である。今季のセ・リーグには規定投球回数に達した投手が6人いるが、大野雄はタイトルを取った防御率や奪三振だけでなく、与四球率(1・39)が昨季(2・18、5位)よりさらに向上し、キャリア初の1位になった。被打率も巨人・菅野には及ばなかったが、昨季(2割6厘)とほぼ同じ2割3厘。ところが、冒頭の得点圏被打率だけが誰よりも悪い。そんな投手が10完投、6完封できた理由は分母にある。
 「その数字は僕、知っていました。ただ、ピンチの数が少なかったんです。四球が少ない。ヒットもそうは打たれていない。四球とヒットのセットが少なかったということでしょうね」
 得点圏での73打席、62打数は最少だ。ピンチには弱いが、ピンチそのものが少ない。結果として余力を残して終盤を迎えることができた。
 完投王の要因は、その終盤の強さにもある。8回以降に投げたのは10試合。つまり、8回のマウンドに上がれば、全て完投した。それもそのはず。8・9回の計20イニングでたったの1失点。被打率も1割4分7厘。総自責点(30)の3分の1は1回に取られている。序盤に打たれてもエースは代えないが、終盤だとさすがに首脳陣の腰がベンチから浮く。100球を超えてもピンチすら招かない大野雄の強さが、完投に結び付いた。
 「やはり中盤までのピンチが多ければ、球数以上に疲労が蓄積されるので。ピンチをつくらず、終盤に入っていけたというのが完投につながったんかなと思います」
 ピンチでの1球は、平時の数球に相当する。ヒットは仕方ない。四球も時にはある。だけど「セット」はいけない。完投能力にはフィジカルだけでなく、メンタルのスタミナが大きく関わってくる。実はピンチに弱かったエースが、それを証明している。=終わり

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