<介護で辞めない>(下)言えない空気 支援制度、広がらぬ利用

2020年12月9日 05時00分 (12月9日 05時00分更新) 会員限定
JFEライフの「仕事と介護の両立セミナー」=2019年12月、東京都内で(同社提供)

JFEライフの「仕事と介護の両立セミナー」=2019年12月、東京都内で(同社提供)

  • JFEライフの「仕事と介護の両立セミナー」=2019年12月、東京都内で(同社提供)
 「うちでは介護で辞める人はいない」。仕事と介護の両立支援に詳しいSOMPOリスクマネジメント(東京)の上席コンサルタント泉泰子さん(58)は、企業の人事担当者からこんな言葉を聞くたびに思う。「会社側が気付いていないだけでは」
 年休などを使って介護してきたが、相談できずに行き詰まり、疲れ切って退職する人は少なくない。退職願の理由に「一身上の都合」とだけ書く介護離職者も多い。「親の介護や認知症はプライベートなことで、会社に相談するという意識が従業員にない」と泉さん。リクルートワークス研究所の二〇一七年の調査では、介護をしている雇用者のほぼ三人に一人が、会社に介護を伝えていない「隠れ介護者」だった。
 仕事と介護の両立を支援する国の制度の一つ「介護休業」。中小企業の経営者の中には「中核となる従業員が休むとまずい」と、介護休業の周知を経営リスクと考える人もいる。総務省の一七年調査では、介護をしている雇用者のうち介護休業を取得した人の割合はわずか1・2%。「職場に迷惑を掛けたくない」意識や、評価や昇進への影響に対する不安も壁になっているようだ。上司から「家庭を仕事に持ち込むな」などと言われ、取得...

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