(64)患者力 体調観察し強がらない

2020年12月8日 05時00分 (12月8日 12時20分更新)
 十一月中旬に受けた放射線治療は、心配した副作用も少なく、退院後二日間静養しただけで、仕事に復帰できました。
 ただ、八月から始まった抗がん剤治療の休薬期間中に放射線治療を挟み込んでいたので、すぐまた下旬から抗がん剤が再開されました。

毎日お世話になるたくさんのお薬


 抗がん剤に加え、吐き気を抑える薬、痛み止め、痰(たん)を切る薬、肺に転移したがん細胞からの出血を止める薬と、たくさんお世話になる毎日ですが、副作用でつらいのは、だるさと下痢です。日によって違うのですが、雨が降ったり、台風が来たりすると、気圧の影響なのか、てきめんに体調が崩れます。起き上がれずに一日中寝込むこともあります。でも、何度か経験するうちに、それなりに対策も取れるようになりました。
 まず、こまめに水分を取ること。下痢になって一番怖いのが脱水症状なので、大切な習慣です。毎日三食をきちんと食べることも、闘病の基本です。天気予報をチェックして、天気が崩れそうなら買い物に行き、簡単に食べられるものを常備しておきます。
 そして体重を減らさないように日ごろから気を付けています。体重が減ると体力が続かず、回復も遅くなるからです。以前服用していたお薬は体重減少という副作用があり、今よりも五キロもやせてしまい、体調維持にとても苦労しました。毎晩おやつを食べたり、先生にも相談して、栄養剤を活用したりして体重の増量に奮闘しました。
 記録をすることも体調管理のために大切です。毎日体温と体重、体調を記録して「〇日に痛みがひどくて痛み止めを飲んだ」などと診察のたびに先生にも報告しています。
 そして「我慢しない、無理しない」生活。三十代のころから、舌の周りの痛みを自覚していながら、ずっと我慢してがんを大きく育ててしまったという反省があるので、体の不調を見逃さず、小さな変化も先生に相談するようになりました。我慢はだれの得にもならないので、痛みやつらさを緩和するお薬も、ためらわずに使っています。
 痛い、つらい、苦しい、助けて−。強がらずにそう言えることが、本当に必要な患者力ではないかと思っています。(荒井里奈)

関連キーワード

PR情報