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“あの死球”以降まるで別人に…今季の中日ビシエドの分岐点 三冠夢見た1ヶ月からの暗転を数字が語った

2020年12月7日 11時59分

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巨人戦の7回裏無死、ビシエドが死球を受ける=7月21日、ナゴヤドームで

巨人戦の7回裏無死、ビシエドが死球を受ける=7月21日、ナゴヤドームで

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って【数字編・7】
 7月21日。この日付が語るのは、ダヤン・ビシエドにとってまさしく痛い死球だったということだ。同日の巨人戦(ナゴヤドーム)で、菅野のストレートが左肘を直撃した。防具の上からではあったが、衝撃音は入場制限のかかった場内に響き、痛みには強い男が翌日の試合を欠場した。
 打撲は癒えても、どこかに残像があったのではないか。少なくとも数字は分岐点だと語っている。7月21日までと、欠場をはさんだ7月23日からではまるで別人だ。「前」が打率3割2分1厘で、開幕から1カ月で9本塁打、24打点。打球に角度をつける、春先からの取り組みが、奏功しているのは明らかだった。三冠も夢見たほど最高の滑り出しだったが、死球を境に暗転した。「後」は打率2割4分8厘、8本塁打、58打点。併殺打が2から15に激増し、打球が目に見えて上がらなくなった。
 「あれだけじゃなく、何度も腕には当てられているから。自分では何か悪い影響はなかったと思っている。じゃあ、なぜだったのかと言われれば、具体的な理由は出てこないけどね」
 ほんの少し左肩が早く開く、それだけでパフォーマンスが落ちるのがプロの世界だ。しかし、日ごろから言い訳やネガティブなことを口にしないビシエドは、死球が分岐点ではないと言った。そして「一般論だけど」と今季全般を振り返った。
 「難しいシーズンだった。キャンプでは良かったけど、その後は(予定通りに)開幕しなかった。序盤はすごく良かったけど、確かに悪い期間は長かった。その上で、それなりの、ある程度納得できる数字は残せたとも思っているんだ」
 苦しみながらも打点を積み上げたのはさすがだった。10月28日の阪神戦(甲子園)で脱臼した左肩も「順調によくなっている」と笑った。そして、今季一番の収穫をこう語った。
 「最も大事なのはチーム全員が、しかもシーズンの終盤にいい仕事をしたことだと思う」。一丸で勝ち取ったAクラス。死球前のビシエドでいてくれるかどうかは、来季のさらなる飛躍のためには大きな問題だ。

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