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自転車 乗る?押す? 能登島大橋「おりて歩道を」看板  

2020年12月6日 05時00分 (12月6日 11時27分更新)
県中能登土木総合事務所の注意喚起の看板。車道側からは植木と重なり見えにくくなっている=石川県七尾市石崎町で

県中能登土木総合事務所の注意喚起の看板。車道側からは植木と重なり見えにくくなっている=石川県七尾市石崎町で

  • 県中能登土木総合事務所の注意喚起の看板。車道側からは植木と重なり見えにくくなっている=石川県七尾市石崎町で
  • 自転車の交通ルールがあいまいで自転車に乗ったり、降りて押したりする通行人が見られる能登島大橋=石川県七尾市石崎町で

道交法では原則車道 利用者困惑


 能登の里山里海が一望できる石川県七尾市の能登島大橋。サイクリングが人気で、石川県が推奨するコースにも含まれているが、「Your Scoop〜みんなの取材班(ユースク)」に、安全性を疑問視する声が寄せられた。橋の手前の看板には「橋の上は自転車をおりて歩道をわたってください」とあるが、管理する県中能登土木総合事務所によると、「罰則はなく、命令でも推奨でもない」。ルールのあいまいさが利用者を戸惑わせている。 (中川紘希)

人気コース 安全確保を


 同市石崎町と能登島をつなぐ能登島大橋は、県内最長の一・〇五キロ。上り下りがあり、海面から最も高いところで二十四メートル、低いところで七メートル。七尾湾や周辺の森林など風光明媚(めいび)な景色が見られ、島を一周したり、付近の和倉温泉を経由したりするコースで自転車の旅を楽しむ人も多い。
 橋には片側のみ車道から一段高くなった幅約一・五メートルの歩道がある。車道の幅員は約六メートルと狭く、車で走行する際、対向車がいると、自転車を追い越すのは難しい。島内でサイクリングツアーを企画する小山基(はじめ)さん(36)は「橋はコースに入れていないが、絶景の自然に囲まれて自転車で走るのは気持ちいいと思う。ただ道幅の狭さは危ないと感じる」と話す。
 橋は風速が毎秒二〇メートル以上で通行止めになる。それでなくても、自転車の場合、突風などで転倒や転落などの危険もあるとして、橋の手前に歩道利用を勧める看板のほか、「橋の上ではよこかぜ注意」と記した看板も設置。ただ植木の茂みと重なって見えづらく、サイクリングが趣味という地元の二十代男性は「何度も橋を走っているけど、看板を見た覚えがないし、歩道を使った方がいいと聞いたこともなかった」と戸惑う。
 七尾署によると、看板は文字表記のみで、拘束力がある道路標識ではない。
 道交法によると、自転車は歩道と車道の区別がある道路では車道通行が原則。ただ、「普通自転車歩道通行可」の標識がある場合や十三歳未満の子ども、七十歳以上の高齢者らが運転する場合などは歩道を通行できる。車道の幅が狭く、接触の危険がある場合なども、安全確保の観点から認められている。
 管理する中能登事務所の担当者は「風が吹かなければ普通の道路。規制の必要はない」と話す。いまのところ大きな事故もないというが、県が推奨する「いしかわ里山里海サイクリングルート」で観光面の役割が大きい以上、何らかの安全対策は不可欠で、事故があってからでは遅い。
 「橋は距離が長く、坂もあるため歩道を歩く人はほとんどいない」と話す小山さん。橋の拡幅は現実的ではない。ならば路面標示などで、安全な走行空間を確保する必要がありそうだ。

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