新庄にメッツが提示した年俸は20万ドル…一桁間違えているのでは、と思ったそうだ【大慈彌功コラム特別版】

2020年12月6日 06時00分

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阪神を退団、メッツ入りを表明した新庄

阪神を退団、メッツ入りを表明した新庄

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【新庄剛志48歳の挑戦3】
 六本木で密会が実現し、新庄にメジャーへの挑戦意欲があることを確認することができた。
 私からは、新庄にメッツの外野陣に十分食い込める力があると伝えた。当時メッツに在籍した外野手、前広島のティモ・ペレス、後年ロッテでもプレーしたベニー・アグバヤニとの比較をし、総合力で彼らよりは上であると説明した。
 すぐに新庄の思いをメッツに報告。しかし、球団上層部は、それまでの通算打率が2割4分台だったこともあり、最初は獲得に向けての動きを渋っていた。そこで、どのような条件でもいいから、私の顔をつぶすことなく条件提示をしてほしい、と強い要望を出した。その結果、交渉できるまでにはこぎ着けた。
 ちまたの話では、新庄とFA契約を望む日本の球団は、3~5年の複数年契約で8~12億円を保証しているとのこと。一方、メッツから出された条件は、一応3年契約ではあるけれども、いつでも解雇できる球団主体の契約内容だった。1年目の条件は、その当時のメジャー最低年俸の20万ドル(当時約2200万円)、契約金30万ドル(同約3300万円)、契約打ち切り時に支払う金「バイアウト」20万ドルで、出来高が付くのは400打席以上からだった。
 どのような条件でもいいから出してくれとは言ったものの、いざ提示する段階になると、恥ずかしく思えてくるような条件だった。ダメもとでの交渉。新庄には本当に申し訳ない気持ちだったが、おくびにも出さないよう努めた。
 このような低条件の中、新庄に対して、ぜひともメッツでプレーをしてくれとは頼めるはずがなく、「じっくり考えてくれ」とだけ言い残した。後日談であるが、新庄は契約書を見たとき、最初は一桁間違えているのでは、と思ったそうだ。(元メッツ・スカウト)

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