「歴史的な勝利」 大飯原発 許可取り消し 原告に歓喜広がる

2020年12月5日 11時42分 (12月5日 11時43分更新)
大阪地裁判決を受け、記者会見する(右から)冠木克彦弁護団長、原告団共同代表の小山英之さん、アイリーン・美緒子・スミスさん=4日夕、大阪市中央区で(七森祐也撮影)

大阪地裁判決を受け、記者会見する(右から)冠木克彦弁護団長、原告団共同代表の小山英之さん、アイリーン・美緒子・スミスさん=4日夕、大阪市中央区で(七森祐也撮影)

  • 大阪地裁判決を受け、記者会見する(右から)冠木克彦弁護団長、原告団共同代表の小山英之さん、アイリーン・美緒子・スミスさん=4日夕、大阪市中央区で(七森祐也撮影)
 原発に反対する住民たちの訴えが司法の壁を突き崩した。大阪地裁が四日、関西電力大飯原発3、4号機の設置許可を取り消した。八年半にわたり闘い続けてきた原告ら。「やった」「泣きそうやわ」。初めて勝ち得た成果に歓喜が広がった。一方、県内からは地元経済への影響や町の将来を心配する声も漏れた。
 四日午後三時すぎの大阪地裁前。関西電力大飯原発3、4号機を巡る訴訟の原告の一人で、反原発運動に取り組んできた住民団体「安全なふる里を大切にする会」代表の石地優(まさる)さん(67)=若狭町=が「勝訴」と書かれた紙を集まった約百人の支援者に掲げ「私たちの主張が通りました!」と声を上げた。支援者からは「よし」「万歳」と歓声が上がり、拍手が湧き起こった。
 石地さんは「判決を聞いて涙が込み上げた。大きな希望ある判決。福井の仲間にも伝えたい」と笑顔で話した。原告と支援者は「歴史的判決を勝ち取った」「全ての原発の運転を止めろ」とシュプレヒコールを繰り返した。
 判決後に大阪市内で会見した弁護団長の冠木克彦弁護士は「全国で展開している原発訴訟に大きな影響を与えるだろう」と話した。武村二三夫弁護士は「裁判所は、国が作った規制基準を自ら無視したことを指摘した。他の原発訴訟にも大きな武器を与えた」と意義を語った。
 原告団共同代表の小山英之さん(80)は「八年半戦った成果。相手が控訴してくるのは間違いないので迎え撃つ準備をする」と語った。運転開始から四十年を超え、関電が来年一月以降の再稼働を目指す美浜原発3号機(美浜町)について「大飯と同じように地震の問題がありながら動かそうとしている。それを止めたい」と意気込んだ。
 共同代表のアイリーン・美緒子・スミスさん(70)=京都市=は「判決は市民や環境、経済を守る最後の警告かもしれない。新型コロナウイルス感染が拡大している中、原発事故が起こったら大変。原発を動かさないでほしい」と呼び掛けた。 (籔下千晶)

関連キーワード

PR情報