截金ガラス 繊細な美と技 山本茜さん 石川県美でゆかりの作品展

2020年12月5日 05時00分 (12月5日 11時03分更新)
山本茜<源氏物語シリーズ第三帖「空蟬」>2019年(個人像)

山本茜<源氏物語シリーズ第三帖「空蟬」>2019年(個人像)

  • 山本茜<源氏物語シリーズ第三帖「空蟬」>2019年(個人像)
  • 作品「虹をかける」は「希望を持ちたいという気持ちを込めて出品した」と話す山本茜さん=金沢市の石川県立美術館で
 金箔(きんぱく)を使った繊細な文様がきらめく工芸の伝統技法「截金(きりかね)」。これを透明なガラスに封じ込めてきらびやかな世界を表現する山本茜さん(43)=京都市、金沢市出身=の作品が、石川県立美術館で開催中の「きらめく美 北陸ゆかりの截金作家たち」展で展示されている。二十日まで。
 截金は、薄くのばされた金箔を細い線やひし形などに切り、筆端と膠(にかわ)などののりで文様をほどこす技法。平安から鎌倉時代の仏像や仏画に使われた。日本画を専攻していた京都市立芸術大時代に仏画の模写を通じ截金に出合い、当時人間国宝だった江里佐代子さんに師事。繊細な美と技を永久に残したいという思いから、富山ガラス造形研究所でさらに学び、独自の截金ガラスに挑んできた。
 繊細な金箔は熱で変形しやすく、ガラスの色によって焼く温度が異なるために試行錯誤の連続。文様を残すためには一時間に〇・一度ずつというゆっくりとした時間をかけて冷ます必要があり、「今年は四十点のうちうまくいったのが三点だけ」というほど、截金とガラス両方に高い技術が必要だ。
 それでも「できあがって、思った以上の効果が生まれるのがガラスの魅力。うれしくなってまたインスピレーションが湧く」。二〇一〇年から取り組む源氏物語五十四帖(じょう)の一帖ずつをテーマにした作品制作は、展示する近作の「空蟬(うつせみ)」が二十一帖目になる。
 今年は受賞者に名だたる美術家たちが名を連ねる京都美術文化賞を受賞し、「やっと京都の人に認められたような思い」という山本さん。今回の展示で、私淑する截金作家西出大三(だいぞう)さん(一九一三〜九五年、石川県加賀市出身)、高瀬孝信さん(一九三一〜二〇〇一年)の作品とともに並ぶことに「信じられない思い。二人の作品を見られるのも貴重だし、截金ガラスを金沢で紹介できるのはうれしい」と声を弾ませた。 (松岡等)

関連キーワード

PR情報

北陸文化の新着

記事一覧