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【石川】診療所医師 重い役割 体制拡充も 検査受けられず

2020年12月5日 05時00分 (12月5日 10時10分更新)

死亡後「陽性」金沢の男性
コロナ疑い 難しい判断

 インフルエンザとの同時流行に備え、石川県内では先月、新型コロナウイルスと双方の検査に対応できる指定医療機関が百八十カ所まで拡充されていた。先月二十六日の死亡確認後に新型コロナ感染が分かった金沢大准教授の高橋広夫さん=享年四十二=は、整備されたはずの新たな体制の中で、検査を受けられなかった。(辻渕智之、戎野文菜)
 厚生労働省は今秋、見極めの難しい新型コロナとインフルの検査診療を主に地元の診療所などで対応してもらう方針に転換した。石川県は先月、感染の疑われる発熱患者らを検査、診療できる医療機関として百八十カ所を指定していた。
 この新体制ではまず、かかりつけ医など身近な医療機関に電話相談してから受診する。そこが指定医であればそのまま検査ができ、指定外であれば指定医を紹介される。県が新設した「受診相談センター」には原則、土日や夜間、受診先を迷う場合に電話するよう県や厚労省は求めている。
 公的保険適用検査は、感染者との濃厚接触歴や症状がなくても医師が診療のために必要と判断すれば実施できる。その判断は従来、県が保健所などに設けた「帰国者・接触者相談センター」(六カ所)で保健師らが電話相談を受け、紹介する「帰国者・接触者外来」のある医療機関(三十カ所)の医師が主に担当してきた。新体制への移行によって検査数が増え、身近な医師がより適切な判断をできると期待されている。
 検査するかの判断について、県内の病院関係者は現場の実情を「重症化リスクを抱えた人、感染を周囲に拡散させる恐れのある人は確実に検査する」と説明。一方で「嗅覚障害など特有の症状が少なくて感染を疑うのが難しければ検査しない場合もある」と言う。
 知人らの話によれば、高橋さんは「近くの医院」を受診し、ぜんそくが持病だった。金沢市内の開業医は「ぜんそくは厚労省が示すコロナ重症化のリスク因子に入っていない」と、診察した医師の判断に影響した可能性に言及する。
 新体制で対応する診療所の医師らの役割は重く、感染疑いのある患者を診る機会が増える。検査を医師が見送っても、本人が強く希望する場合の県や受診相談センターの対応について、県健康推進課は「受診先の医師にあらためて相談するよう答えるか、重症や緊急性があると判断すれば別の医療機関の受診を勧める場合もありうる」と話した。

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