【石川】「中日産業技術賞 特別奨励賞」 小松マテーレに贈呈

2020年12月5日 05時00分 (12月5日 11時07分更新)
中日産業技術賞・特別奨励賞を受ける小松マテーレの佐々木久衛社長=石川県能美市の同社で

中日産業技術賞・特別奨励賞を受ける小松マテーレの佐々木久衛社長=石川県能美市の同社で

  • 中日産業技術賞・特別奨励賞を受ける小松マテーレの佐々木久衛社長=石川県能美市の同社で
  • 特別奨励賞を受けたマスクやインナー(手前)について語る(左から)小川直人常務、金法順正技術開発部参事、佐々木社長、浜口裕香同部高機能Gリーダー=石川県能美市の同社で

マスクで貢献「運命的」

 優れた産業技術や製品を顕彰する「第三十四回中日産業技術賞」(中日新聞社主催、経済産業省後援)で、特別奨励賞を受賞した化学素材メーカーの小松マテーレ(石川県能美市)に四日、賞状とメダルが授与された。
 同社は東芝マテリアル(横浜市)の協力で、蛍光灯などの微弱な光でも抗ウイルス機能を発揮する光触媒「酸化タングステン」を合成繊維に固着させる技術を業界で初めて開発。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて三月にマスクの内側に装着するインナー、六月にマスク本体「ダントツマスクール(エアロテクノマスク)」を商品化した。感染拡大に早期に対応した点も評価された。
 この日は中日新聞北陸本社の前田昌彦代表が小松マテーレ本社を訪れ、佐々木久衛(ひさえ)社長に賞状、技術開発本部長の小川直人常務にメダルをそれぞれ手渡した。開発に携わった技術開発部の金法順正(かねのりじゅんしょう)さんと浜口裕香さんも同席した。
 中日産業技術賞の各賞が石川県内の企業に贈られるのは二〇一三年に特別奨励賞を受賞したキュービクス(白山市)以来、七年ぶり。小松マテーレは〇九年に超微多孔セラミックスを用いた屋上緑化材で特別奨励賞を受賞している。
 中日新聞社は名古屋市内で贈呈式を予定していたが、新型コロナの感染防止のため開催を見送った。

苦渋の操業停止から勲章

 「コロナ禍の中で社会に貢献できたことは、仕組まれた運命のように感じた」。小松マテーレの佐々木久衛社長は、同社にとって振れ幅の大きかった一年をこう振り返った。
 未知のウイルスが広がり始めた二月、パリへ渡航した社員の感染が判明。グループ企業も含めて二週間、操業を停止した。業績への影響は決して小さくない。「製造業にとって苦渋の決断だった」
 操業再開後、着々と開発を進めてきたマスクとインナーを満を持して発売。購入先の企業の社員から「私たちの命を守ってくれてありがとう」と感謝の言葉を伝え聞いた時は、「われわれにとって最高の勲章」と喜びが込み上げた。
 いまだコロナは国内外で猛威を振るう。当面、マスクは生活に欠かせない存在となりそうだ。「見えないところの機能と着用感をまだまだ進化させていく」と佐々木社長。「感染防止のニーズに早く応えるには早く手足を動かす。そこに強みがある」とし、スポーツなどの着用シーンに合わせた改良や女性向けに肌に優しい構造などを追求していく考え。マスク以外の用途展開も進める。
 本業の染色加工は法人取引が中心だが、マスク販売を通じて一般消費者に直接届けられる電子商取引(EC)ビジネスにも本腰を入れ始めた。「ECのメリットも難しさも分かった。商材を増やして充実させていくことは今後の大きな課題になる」と次を見据えた。 (中平雄大)

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